副鼻腔炎
- 内科(一般/非感染症外来)
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診療内容 呼吸器内科
結核は、結核菌という細菌が体内に侵入して増殖することで発症する感染症です。なかでも最も多いのが肺に炎症が起こる「肺結核」で、咳やくしゃみを介して周囲の人にうつる可能性があります。初期の段階では風邪と似た症状しか現れないため見過ごされやすく、治療しないまま放置すると重症化し、命にかかわることもあります。
厚生労働省の発表によると、2024年に新たに結核と診断された患者数は10,051人にのぼり、同年の結核による死亡者数は1,461人と報告されています(出典:厚生労働省「2024年 結核登録者情報調査年報集計結果」)。結核は決して過去の病気ではなく、現在も私たちの身近に存在する感染症です。ここでは、結核の原因・症状・検査方法・治療法・予防策について詳しく解説します。
結核は、抗酸菌の一種である「結核菌(Mycobacterium tuberculosis)」に感染することで起こる病気です。抗酸菌とは、染色検査の際に酸で脱色されにくい性質を持つ細菌のグループを指します。結核菌は主に肺に病変を作りますが、リンパ節・腎臓・骨・脳など全身のさまざまな臓器に影響を及ぼすこともあります。
日本では明治以降の産業革命に伴う人口集中とともに結核が広まり、1950年頃までは日本人の死亡原因の第1位を占めていました。その後、結核予防法の施行やBCGワクチンの普及、生活水準の向上などにより死亡者数は大幅に減少しました。しかし現在でも毎年約1万人が新たに発症しており、油断できない感染症であることに変わりはありません。
結核は「空気感染(飛沫核感染)」によって広がります。感染者が咳やくしゃみをすると、結核菌を含んだごく小さな粒子(飛沫核)が空気中に漂い、それを周囲の人が吸い込むことで感染が成立します。飛沫核は非常に軽いため長時間空気中に浮遊し、換気の悪い密閉空間では感染リスクが高まります。
一方で、食器の共有や握手といった接触によって感染することはありません。結核患者が使用した食器は通常の洗浄で問題なく、食べ物を介してうつることもありません。
結核菌に感染したからといって、必ずしも発症するわけではありません。感染者のうち実際に発症するのは5〜10%程度といわれています。免疫力が正常であれば、体の防御機能が結核菌の活動を抑え込み、「潜在性結核感染症(LTBI)」の状態にとどまります。しかし、加齢や糖尿病、HIV感染、免疫抑制薬の使用などで免疫力が低下すると、休眠していた結核菌が再び活発になり発症につながります。
結核の直接的な原因は結核菌への感染ですが、発症リスクを高める要因はさまざまです。
| リスク要因 | 詳細 |
| 免疫力の低下 | HIV感染、糖尿病、慢性腎不全、免疫抑制薬の使用など |
| 高齢 | 加齢による免疫機能の低下。80〜89歳の発症割合が最も高い |
| 栄養不良・生活環境 | 低栄養状態や過密な住環境、換気の悪い空間での長時間滞在 |
| 結核患者との濃厚接触 | マスクなしでの長時間の会話や同居など |
2024年の統計では、新登録結核患者のうち80〜89歳が全体の28.4%と最も多くを占めており、高齢者における発症リスクの高さがうかがえます。また、20〜29歳の若年層では外国出生者を中心に前年比23.8%の増加が報告されています(出典:厚生労働省)。
結核の初期症状は風邪とよく似ているため、自分では気づきにくいのが特徴です。以下のような症状が2週間以上続く場合は、結核の可能性を考えて早めに医療機関を受診しましょう。
結核を放置すると肺の組織が破壊されるだけでなく、血液を介して他の臓器にも結核菌が広がり(粟粒結核)、重篤な状態に陥る可能性があります。さらに、周囲の人への感染拡大にもつながるため、早期の受診が非常に大切です。
結核が疑われる場合、以下のような検査を組み合わせて診断を行います。
| 検査方法 | 内容 |
| 胸部レントゲン検査 | 肺に結核を疑う影(陰影)がないかを確認する画像検査。健康診断でも実施される |
| 胸部CT検査 | レントゲンで判断が難しい場合に、より詳細に肺の状態を確認する |
| ツベルクリン反応検査 | 皮内注射を行い、注射部位の反応から感染の有無を判断。ただしBCGの影響を受ける |
| IGRA(インターフェロンγ遊離試験) | 血液検査で結核感染を調べる。BCGの影響を受けず、より正確な判定が可能 |
| 喀痰検査(塗抹・培養) | 痰の中に結核菌がいるかを顕微鏡や培養で確認する。確定診断に重要 |
胸部レントゲンやCT検査で結核が疑われた場合、確定診断には喀痰検査が必要です。喀痰培養検査は結果が出るまで数週間かかりますが、最も信頼性の高い検査とされています。
結核の治療は、複数の抗結核薬を長期間にわたって服用する「多剤併用療法」が基本です。
初期強化期(最初の2か月):イソニアジド(INH)、リファンピシン(RFP)、ピラジナミド(PZA)の3剤に、エタンブトール(EB)またはストレプトマイシン(SM)注射を加えた計4剤を使用します。
維持期(その後の4か月):イソニアジドとリファンピシンの2剤を中心に治療を継続し、合計6か月間の治療を完了します。
治療を途中でやめてしまうと、結核菌が薬に対して耐性を獲得し、通常の薬では治療が困難な「多剤耐性結核(MDR-TB)」を引き起こすおそれがあります。WHOでは、医療従事者が患者の服薬を直接確認する「直接服薬確認療法(DOTS)」を推奨しており、日本でも保健所を中心にDOTSが実施されています。処方された薬を自己判断で中断せず、最後まで飲みきることが結核治療の鍵です。
結核の予防には、感染を防ぐことと、感染後の発症を防ぐことの2つの視点が大切です。
日本では生後1歳未満(標準的には生後5〜8か月)の乳幼児を対象に、BCGワクチンの定期接種が行われています。BCGワクチンは小児の結核発症を52〜74%減少させるとされていますが、その予防効果は10〜15年とされており、成人に対する効果は限定的です。
厚生労働省も毎年9月24日〜30日を「結核・呼吸器感染症予防週間」と定め、啓発活動を行っています(参考:厚生労働省 結核情報ページ)。
①問診・診察:過去の結核の既往歴や、現在の症状について医師が丁寧にお話を伺います。幼少期に長期間の服薬や入院をされた経験がある方は、結核治療歴の可能性がありますので、あらかじめご家族に確認いただけるとスムーズです。
②検査:胸部レントゲンを撮影し、結核を疑う陰影がないかを確認します。必要に応じて他施設と連携しCT検査を行うこともあります。
③専門医療機関への紹介:画像検査で結核が疑われた場合には、喀痰培養検査や専門的な治療が可能な医療機関へ速やかにご紹介いたします。
結核は早期発見が難しく、気づいたときには周囲に感染を広げていることもあります。咳が2週間以上続く、微熱が下がらないなどの症状があれば、お早めにご相談ください。
クリニックプラスでは、24時間LINEで診療予約を受け付けています。平日は夜20時まで、土日祝日も診療を行っておりますので、お仕事帰りや休日にも無理なく受診いただけます。気になる症状がある方は、お気軽にご来院ください。
※クリニックプラスではCT検査は行っておりません。必要時には検査が受けられる連携医療機関をご紹介させていただいております。
※胸部レントゲン検査など、実施可能な検査項目は医療機関によって異なります。詳しくは各院へお問い合わせください。