1型糖尿病
- 糖尿病外来
診療内容 糖尿病外来
糖尿病神経障害は、糖尿病の三大合併症のひとつであり、最も早い段階で現れることが多い合併症です。手足のしびれや痛み、感覚の鈍化といった症状が特徴的ですが、初期は軽度なため「たいしたことはない」と見過ごされがちです。しかし、放置すると足の壊疽(えそ)による切断や、自律神経の障害による深刻な全身症状につながる危険性があります。早期に気づき、適切な治療を始めることが何よりも大切です。ここでは、糖尿病神経障害の原因から症状、検査方法、治療法までを詳しく解説します。
人の体には、脳や脊髄から全身に張りめぐらされた「末梢神経(まっしょうしんけい)」があります。末梢神経には、痛みや温度を感じる「感覚神経」、手足の動きを制御する「運動神経」、血圧や内臓の働きを自動的に調節する「自律神経」の3種類があり、これらが正常に機能することで私たちは日常生活を送ることができています。
糖尿病神経障害は、高血糖の状態が長く続くことでこれらの末梢神経が障害され、さまざまな症状が現れる病気です。三大合併症のなかでも比較的早期(発症から5年程度)に症状が出始めるとされています。
高血糖が持続すると、末梢神経に栄養を送る細い血管が傷つきます。血管が傷むと神経細胞に十分な酸素や栄養が届かなくなり、神経の働きが徐々に低下していきます。また、高血糖の状態では神経細胞内にソルビトールという物質が蓄積し、これも神経障害を悪化させる一因と考えられています。血糖コントロールが不十分な期間が長いほど、神経障害を発症するリスクは高まります。
糖尿病神経障害は足先から始まることが多く、左右対称に症状が現れるのが特徴です。以下のような症状が安静時(特に夜間や就寝時)に強くなる場合は、神経障害が始まっているサインかもしれません。
神経障害が進行すると、足だけでなく全身にさまざまな症状が現れます。障害される神経の種類によって症状は異なります。
| 障害される神経 | 主な症状 |
| 感覚神経 | 強い痛み、しびれ感の悪化、痛みや温度を感じにくくなる(ケガに気づかない)、ふらつき |
| 運動神経 | こむら返り、筋肉の萎縮(太ももやお尻)、足の変形 |
| 自律神経 | 便秘・下痢、立ちくらみ、頻尿・排尿困難、発汗異常、胃のもたれ |
| 動眼神経 | 物がダブって見える(複視) |
感覚神経の障害が進むと、足の傷ややけどに気づかなくなり、そこから細菌感染を起こして壊疽に至ることがあります。これは糖尿病による足切断の主な原因であり、「糖尿病足病変」として特に注意が必要です。
糖尿病神経障害の診断には、以下のような検査が行われます。問診や身体診察と組み合わせて総合的に判断されます。
| 検査名 | 内容 |
| アキレス腱反射検査 | ハンマーでアキレス腱を軽くたたき、反射の有無を調べる。神経の伝達機能を評価する |
| 触覚検査(モノフィラメント検査) | プラスチックの細い線で足の裏を触り、触覚が正常に感じられるかを確認する |
| 振動覚検査 | 振動する音叉をくるぶしに当て、振動を感じる時間を測定する |
| 神経伝導検査 | 手足の神経に電気刺激を与え、神経の伝わる速さを測定する(専門医療機関で実施) |
なお、神経障害は糖尿病以外の病気(ビタミンB12欠乏、甲状腺機能低下症、椎間板ヘルニア、アミロイドーシスなど)でも起こりうるため、鑑別のために血液検査やCT・MRIなどの画像検査が行われることもあります。
糖尿病神経障害の治療で最も重要なのは、血糖値を適切な範囲に保つことです。食事療法、運動療法、禁煙、節酒といった生活習慣の改善が基本となります。軽度の神経障害であれば、血糖コントロールが改善するだけで症状が軽減・消失することもあります。
痛みやしびれの程度に応じて、以下のような薬が使われます。
糖尿病神経障害がある方は、足のトラブルを未然に防ぐための「フットケア」が非常に重要です。
末梢神経は一度大きく傷つくと再生困難で症状が残存してしまいますが、初期段階で適切に血糖をコントロールすれば、症状の改善や進行の抑制が期待できます。足のしびれや違和感など「ちょっとした変化」を見逃さず、早めに医師へ相談することが大切です。
クリニックプラスでは、問診と身体診察に加え、血液検査・尿検査による糖尿病の評価を行い、神経障害の状態に合わせた生活指導や薬物治療をご提案いたします。平日は夜20時まで、土日祝日も毎日診療しておりますので、お仕事帰りや休日にも受診いただけます。ご予約は24時間LINEで承っていますので、足のしびれや痛みが気になる方はお気軽にご相談ください。