1型糖尿病
- 糖尿病外来
診療内容 糖尿病外来
「血糖値スパイク」という言葉をご存知でしょうか。食後に血糖値が急上昇し、その後急降下する現象のことで、「隠れ糖尿病」とも呼ばれます。通常の健康診断では見つかりにくいのが厄介なところで、自覚のないまま血管へのダメージが蓄積し、動脈硬化や心血管疾患のリスクを高めてしまいます。ここでは、血糖値スパイクの原因や症状、リスク、そして予防のための対策についてくわしく解説します。
血糖値スパイクとは、食後に血糖値が急激に上昇(140mg/dL以上)し、その後インスリンの大量分泌によって急速に下降する現象です。健常な方であれば、食事のあとの血糖値は緩やかに上がり、インスリンの作用で穏やかに下がります。しかし、インスリンの分泌タイミングが遅れたり量が不十分だったりすると、血糖値が急上昇してしまいます。その後、遅れて大量のインスリンが分泌されるため、今度は血糖値が急降下するという「スパイク(とがった波形)」のような変動が起きるのです。
空腹時の血糖値は正常であることが多いため、一般的な健診の空腹時血糖検査では発見されにくいのが大きな特徴です。そのため、本人にもまったく自覚がないまま、血管へのダメージが蓄積していることがあります。
食事から血糖値が変動する流れは以下の通りです。
このプロセスでインスリンの分泌に問題があると、血糖値の急激な上昇と下降を引き起こし、血管に負担を与えてしまいます。
血糖値スパイクが起きるおもな原因は、インスリンの分泌・作用に問題が生じていることです。具体的には以下のような要因が挙げられます。
以下にあてはまる方は、血糖値スパイクのリスクが高い可能性があります。
血糖値スパイクは自覚症状がほとんどないことが大きな特徴です。空腹時の血糖値は正常であることが多いため、本人も周囲も異常に気づきにくい状態です。
症状が現れるとすれば、食後の強い眠気、頭痛、だるさ、集中力の低下、イライラ感などがあります。食事のたびにこうした不調を繰り返し感じる方は、血糖値スパイクが起きている可能性があります。
血糖値の急激な変動を繰り返すと、血管の内壁が傷つき、動脈硬化が進行します。動脈硬化が進むと、以下のような深刻な合併症のリスクが高まります。
| 合併症 | 概要 |
| 狭心症 | 心臓の血管が狭くなり、胸の締めつけ感や痛みが生じる |
| 心筋梗塞 | 心臓の血管が詰まり、心筋が壊死する命に関わる病気 |
| 脳梗塞 | 脳の血管が詰まり、脳組織がダメージを受ける病気 |
血糖値スパイクはまだ糖尿病と診断されていない段階でも動脈硬化を進行させるため、早めの対処が非常に重要です。
血糖値スパイクを見つけるには、通常の空腹時血糖の検査だけでは不十分です。医療機関で行う75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)が有用で、ブドウ糖を飲んだあとの血糖値の経時的な変化を確認することで、食後の血糖スパイクの有無を判定できます。
また、最近ではCGM(持続血糖モニタリング)というセンサーを腕に装着して24時間の血糖変動を記録する検査も活用されています。CGMを用いることで、日常生活の中でどのタイミングに血糖値の急変動が起きているかを詳細に把握することができます。
(*75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)検査、CGM(持続血糖モニタリング)はクリニックプラスでは行っておりません、検査が必要と判断した場合は検査可能な医療機関をご紹介いたします。)
血糖値スパイクの予防で最も大切なのは食生活の見直しです。
(GI値は、Glycemic Index(グリセミック・インデックス)の略で、食後血糖値の上昇度を示す指標のことです)
食後1〜2時間以内に軽い運動(ウォーキングなど)を行うと、筋肉でのブドウ糖消費が促され、食後の血糖上昇を抑えることができます。15〜30分程度の散歩でも十分な効果が期待できます。有酸素運動に筋力トレーニングを組み合わせると、インスリンの効きがさらに良くなります。大切なのは無理なく継続できる運動を選ぶことです。
血糖値スパイクは自覚症状が乏しく、通常の健診では発見されにくい「隠れた血糖異常」です。食後に強い眠気やだるさを感じることが多い方、血糖値がやや高めと指摘された方は、早めに医療機関で相談されることをおすすめします。
クリニックプラスでは、24時間LINEから予約が可能です。平日は夜20時まで、土日祝日も毎日診察を行っていますので、お忙しい方でも無理なく受診できます。血糖値の変動が気になる方は、ぜひお気軽にご来院ください。