高血圧性腎障害
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診療内容 腎臓内科
急に高い熱が出て、腰やわき腹がずっしりと重だるい、あるいはズキズキ痛む。市販の風邪薬を飲んでも一向によくならない――そんなときに疑われる病気のひとつが「腎盂腎炎(じんうじんえん)」です。膀胱炎だと思って様子を見ているうちに悪化してしまうケースも少なくありません。この記事では、腎盂腎炎の原因や症状、似た症状が出る尿路結石との違い、診断・治療の流れ、そして自宅でできる予防法まで、わかりやすく解説します。
腎盂腎炎とは、腎臓の中で尿を集める部分である「腎盂(じんう)」を中心に、腎臓そのものに細菌感染が起こる病気です。尿道・膀胱・尿管など尿の通り道(尿路)全体で起こる感染症を「尿路感染症」と呼びますが、腎盂腎炎はそのなかでも上部(腎臓側)の感染にあたります。
多くの場合、もともと膀胱炎などの下部尿路感染があり、そこで増えた細菌が尿管を逆行して腎臓まで達することで発症します。膀胱炎が「軽い風邪」だとすると、腎盂腎炎は感染が腎臓まで広がった状態で、全身に発熱や倦怠感を伴う点が大きな違いです。発熱の有無は、両者を見分ける上でひとつの目安になります。
急性のものと、基礎疾患によって繰り返しやすい慢性のものがあり、次の「原因」の項目で詳しく説明します。
腎盂腎炎の原因菌として最も多いのは大腸菌で、全体の約7〜8割を占めるとされています。そのほか、クレブシエラ属やプロテウス属、腸球菌などの細菌が原因になることもあります。これらはもともと腸内や皮膚の常在菌ですが、尿道から膀胱、さらに尿管を通って腎臓まで逆行することで炎症を起こします。
女性は尿道が男性に比べて短く、肛門にも近い解剖学的な構造から、細菌が膀胱に到達しやすく、腎盂腎炎を含む尿路感染症全体にかかりやすいことが知られています。一方、男性が腎盂腎炎を発症する場合は、前立腺肥大症や尿路の形態異常など何らかの基礎疾患が隠れていることが多く、注意が必要です。
腎盂腎炎は大きく2つに分類されます。
腎盂腎炎の代表的な症状は、以下のようなものです。
これらの症状が数時間から1〜2日程度で急速に強まることが多く、多くの場合は膀胱炎の症状に続いて発熱が加わる形で進行します。高齢の方では、発熱以外に目立った症状がなく、食欲低下や意識のもうろうとした状態だけがサインになることもあるため、周囲の方の見守りも大切です。
わき腹や腰の痛みという点で、腎盂腎炎は尿路結石(尿管結石・腎結石など)と間違われやすい病気です。両者は原因も対処法も異なるため、次の表で違いを整理しておきましょう。なお、尿路結石そのものについては、当院の尿路結石に関する記事で詳しく解説しています。
| 項目 | 腎盂腎炎 | 尿路結石 |
|---|---|---|
| 主な原因 | 大腸菌などによる細菌感染 | 尿中のミネラル成分が結晶化してできる結石 |
| 痛みの性質 | 持続的な鈍痛・重だるさ | 波のように強弱を繰り返す激しい痛み(疝痛発作) |
| 痛みの部位 | 片側の腰背部〜側腹部が中心 | 腰背部から下腹部・鼠径部へ移動することが多い |
| 発熱 | 高熱を伴うことが多い | 通常は伴わない(感染を合併すると発熱) |
| 血尿 | 目立たないことが多い | 肉眼でわかる血尿を伴うことがある |
| 受診の目安 | 高熱・悪寒があれば早めの受診が必要 | 激痛時は早めの受診。多くは自然に排出される |
なお、尿路結石が尿の流れをせき止め、そこに細菌感染が加わると腎盂腎炎を発症することもあります。これは前述の「複雑性腎盂腎炎」にあたり、結石の治療と感染症の治療の両方が必要になるケースです。
腎盂腎炎が疑われる場合、まず尿検査を行います。尿を顕微鏡で調べる尿沈渣(にょうちんさ)で白血球や細菌の有無を確認し、あわせて尿の中の細菌を培養して原因菌の種類や効果のある抗菌薬を調べる尿培養検査を行います。
血液検査では、白血球数やCRP(炎症反応の指標)を確認し、炎症の程度や全身への影響を評価します。腎機能の指標(クレアチニンなど)を調べ、腎臓へのダメージがないかも確認します。
必要に応じて超音波(エコー)検査やCT検査などの画像検査も行います。これらは、尿の流れを妨げる結石や尿路の形態異常がないか、また腎臓に膿がたまる腎膿瘍などの合併症が起きていないかを確認するために重要です。特に、治療を開始しても解熱しない場合や、繰り返し腎盂腎炎を起こす場合には、画像検査による原因の精査が推奨されます。
腎盂腎炎の治療の中心は抗菌薬(抗生物質)による薬物療法です。重症度や基礎疾患の有無によって、治療の場所や期間が変わります。
基礎疾患のない単純性腎盂腎炎で、全身状態が比較的安定している場合は、外来での経口抗菌薬による治療が可能です。ニューキノロン系やβ-ラクタム系など、腎臓から排泄されやすい抗菌薬が選ばれることが多く、解熱後もしばらくは服用を継続し、合計で1〜2週間程度内服を続けるのが一般的です。症状が軽くなったからと自己判断で服薬を中断すると、細菌が体内に残って再発や耐性菌の原因になることがあるため、処方された分は最後まで飲み切ることが重要です。
高熱が続く、嘔吐が強く内服が難しい、全身状態が不良である、あるいは尿路結石などの基礎疾患を伴う複雑性腎盂腎炎では、入院のうえ点滴による抗菌薬治療が必要になることがあります。数日から1週間程度、注射薬で治療したのち、症状が落ち着いてきた段階で経口薬に切り替えるのが一般的な流れです。結石による尿の詰まりが強い場合は、抗菌薬治療とあわせて、詰まりを解除する処置が必要になることもあります。
腎盂腎炎の多くは適切な治療で軽快しますが、治療が遅れたり、免疫力が低下していたりすると、まれに以下のような重い合併症に至ることがあります。
次のような症状がある場合は、様子を見ずに早めに医療機関を受診してください。
予防のポイントとしては、日頃から次のことを意識するとよいでしょう。
クリニックプラスの腎臓内科では、腎盂腎炎が疑われる方への迅速な対応を行います。来院当日に尿検査・血液検査を行い、炎症の程度や腎機能を確認したうえで、軽症・中等症の方には外来での抗菌薬による治療をご提案します。全身状態の悪化がみられる重症例や、結石などによる尿路の閉塞が疑われる複雑性腎盂腎炎の方については、入院設備や専門的な処置が可能な高次医療機関へ速やかにご紹介する体制を整えています。
急な発熱や腰の痛みは、仕事や家事の合間になかなか受診の時間が取りにくいものです。クリニックプラスは24時間LINEから予約が可能で、平日は夜20時まで診察を行っているほか、土日祝日も診察しております。事前のLINE問診やクレジットカード決済にも対応しておりますので、体調がすぐれないときこそ、無理のないタイミングでご相談ください。