診療内容 内科(一般/非感染症外来)

高尿酸血症/痛風

健康診断で「尿酸値が高い」と指摘された経験はありませんか。高尿酸血症は、血液中の尿酸が過剰になった状態で、放置すると痛風発作や腎障害、尿路結石といった深刻な合併症を引き起こすおそれがあります。国内の高尿酸血症の推定患者数は約1,300万人にのぼり、特に30〜50代の男性に多くみられます。ここでは、高尿酸血症と痛風の原因・症状・治療法について、わかりやすく解説します。

高尿酸血症とは

尿酸とは、体内でエネルギー源として使われる「プリン体」が分解されたあとにできる老廃物です。プリン体は食品からも摂取されますが、体内でも常に産生されています。通常、尿酸は肝臓で生成されたのち、腎臓から尿として、あるいは腸管を経由して排泄されます。この産生と排泄のバランスが崩れると、血中の尿酸値が上昇します。

日本痛風・尿酸核酸学会のガイドラインでは、血清尿酸値が7.0mg/dLを超える場合を高尿酸血症と定義しています。尿酸値が高い状態が続くと、血液に溶けきれなくなった尿酸が結晶化し、関節や腎臓に沈着して痛風や尿路結石などの原因となります。

高尿酸血症の原因

高尿酸血症の原因は、大きく以下の3つのタイプに分けられます。

タイプ特徴
尿酸産生過剰型プリン体の過剰摂取や体内での過剰産生が原因
尿酸排泄低下型腎臓からの尿酸排泄が低下している
腎外排泄低下型腸管からの尿酸排泄が低下している(近年追加された分類)

日常生活の中では、以下のような要因が尿酸値の上昇に関係しています。

  • プリン体を多く含む食品(レバー・干物・魚の内臓など)の過剰摂取
  • アルコールの飲みすぎ(特にビール)
  • 砂糖入り清涼飲料水の過剰摂取
  • 肥満やメタボリックシンドローム
  • ストレスや激しい無酸素運動
  • 遺伝的な体質(家族に痛風患者がいる場合)

高尿酸血症の症状と痛風発作

高尿酸血症そのものには自覚症状がほとんどありません。しかし、尿酸値が高い状態を放置していると、結晶化した尿酸が関節に蓄積し、ある日突然激しい痛みを引き起こします。これが痛風発作(急性痛風関節炎)です。

痛風発作の特徴

  • 足の親指の付け根に起こることが最も多い
  • 関節が赤く腫れ上がり、歩けないほどの激痛が生じる
  • 発作は通常1〜2週間で治まるが、放置すると再発を繰り返す
  • 深夜から早朝にかけて発症しやすい

痛風以外の合併症

高尿酸血症は痛風だけでなく、尿路結石(尿の通り道に石ができる)や痛風腎(腎臓に尿酸が蓄積して腎機能が低下する)の原因にもなります。また、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を合併しやすく、動脈硬化のリスクが高まるとも報告されています。

痛風を起こしやすい人の特徴

以下にあてはまる方は、痛風のリスクが高いとされています。

  • 20代以上の男性(患者の約9割が男性)
  • お酒をよく飲む方(特にビールなどプリン体の多い酒類)
  • 肉や魚の内臓、干物をよく食べる方
  • 肥満気味、またはBMIが高い方
  • ストレスを抱えやすい方
  • 水分摂取が少ない方
  • 血縁者に痛風の方がいる場合

高尿酸血症の診断・検査

高尿酸血症の診断は、主に血液検査による血清尿酸値の測定で行います。尿酸値が7.0mg/dLを超えていれば高尿酸血症と診断されます。あわせて、腎機能の状態を確認するための検査や、尿中の尿酸排泄量の測定を行うこともあります。

痛風発作が疑われる場合には、患部の診察に加え、関節液を採取して尿酸結晶の有無を確認する検査や、X線・超音波検査によって関節への尿酸沈着を評価することもあります。また、合併症の有無を確認するため、腎機能検査や脂質・血糖値の測定を定期的に行うことが重要です。

尿酸値と対応の目安

尿酸値対応
7.0mg/dL以下正常範囲(生活習慣の維持を心がける)
7.0〜8.0mg/dL生活習慣の見直しが必要。合併症がある場合は薬物療法も検討
8.0〜9.0mg/dL合併症がある場合は薬物療法の開始を検討
9.0mg/dL以上合併症の有無にかかわらず薬物療法を検討

高尿酸血症・痛風の治療法

生活習慣の改善

高尿酸血症の治療において、まず取り組むべきは日常生活の見直しです。以下のポイントを意識しましょう。

食事の工夫:レバーや干物など、プリン体を多く含む食品は控えめにしましょう。野菜や海藻、乳製品は尿酸値のコントロールに役立つとされています。

節酒:日本酒なら1合、ビールなら500mL、ウイスキーなら60mL程度を上限とし、週に2日以上は休肝日を設けましょう。

水分摂取:尿からの尿酸排泄を促すため、1日2リットル以上の水分摂取が目安です。砂糖入りの清涼飲料水はかえって尿酸値を上げるため、水やお茶を選びましょう。

適度な有酸素運動:ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動が効果的です。ただし、激しい無酸素運動はかえって尿酸値を上昇させるため注意が必要です。

ストレス管理:ストレスも尿酸値上昇の一因です。十分な睡眠や趣味の時間を確保するなど、日頃からストレスをため込まない工夫が大切です。

薬物療法

生活習慣の改善だけでは尿酸値のコントロールが難しい場合には、薬物療法を開始します。薬は大きく分けて「尿酸生成抑制薬」と「尿酸排泄促進薬」の2種類があり、病型に合わせて選択されます。代表的な尿酸生成抑制薬にはアロプリノールやフェブキソスタットがあり、排泄促進薬にはベンズブロマロンなどがあります。治療目標は尿酸値を6.0mg/dL以下に維持することで、定期的な血液検査で尿酸値の推移を確認しながら薬の量を調整していきます。

痛風発作時の治療

痛風発作が起きた場合は、まずNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)やコルヒチンなどを使用して痛みと炎症を抑えることが優先されます。発作中に尿酸降下薬を新たに開始すると、尿酸値の急激な変動により症状が悪化する可能性があるため、発作が落ち着いてから尿酸降下薬の内服を開始します。自己判断で薬の量を増減したり、中断したりすることは避け、医師の指示に従うことが治療成功への近道です。

クリニックプラスでの診療の流れ

1. 問診

最近の食生活やアルコールの摂取状況、既往歴や家族歴などについて詳しくお話を伺います。

2. 身体診察

痛風発作を起こしている場合は、痛みのある部位を丁寧に診察します。

3. 血液検査

血清尿酸値をはじめ、腎機能や脂質・血糖値など、関連する項目を検査します。

4. 生活指導・処方

検査結果をもとに、食事や運動などの生活習慣改善についてアドバイスを行います。必要に応じて薬を処方し、定期的に尿酸値の推移を確認しながら治療を進めていきます。

高尿酸血症は自覚症状がないまま進行することが多いため、健康診断で尿酸値の異常を指摘されたら、早めに医療機関を受診することが大切です。クリニックプラスでは、24時間いつでもLINEから予約が可能です。平日は夜20時まで、土日祝日も毎日診療を行っておりますので、お仕事帰りや休日にもお気軽にご相談ください。

参考情報

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