脂質異常症(高脂血症)
- 脂質異常症外来
診療内容 脂質異常症外来
健康診断で「中性脂肪が高い」と言われたことはありませんか。血液中の中性脂肪の量が基準値を超えた状態を「高トリグリセライド血症(こうトリグリセライドけっしょう)」といいます。放っておくと動脈硬化(どうみゃくこうか)や急性膵炎(すいえん)といった深刻な病気につながるおそれがあるため、早めの対策が重要です。ここでは、高トリグリセライド血症の原因・症状・診断基準・治療法について詳しく解説します。
トリグリセライドとは、血液中に含まれる脂肪の一種で「中性脂肪」のことです。食べ物から摂取された脂肪や糖質は、体内でエネルギー源としてトリグリセライドに変換されます。しかし、消費されなかった余分なトリグリセライドは体脂肪として蓄えられるほか、血液中にも残ってしまいます。
高トリグリセライド血症は、空腹時の血液検査でトリグリセライド(中性脂肪)値が150mg/dL以上の状態を指します。血液がドロドロになることで動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞の原因となります。さらに、中性脂肪が極端に高い場合には急性膵炎を引き起こすリスクもあり、注意が必要です。
痩せている方でも体質的に中性脂肪がたまりやすい方は高トリグリセライド血症を指摘されることがあります。体型だけで安心せず、定期的な血液検査で数値を確認することが大切です。
高トリグリセライド血症の多くは生活習慣の乱れが原因です。主な要因を以下にまとめます。
このほか、糖尿病や甲状腺機能低下症、腎臓病などの疾患に伴って二次的に発症する場合や、遺伝的な体質が関与するケースもあります。複数の要因が重なることで中性脂肪はさらに上がりやすくなるため、思い当たる原因がある方は早めに対策を始めましょう。

中性脂肪が血液中に増えすぎても、それだけで自覚症状が出ることはありません。痛みや体調の変化を感じにくいため、健康診断で初めて指摘されるケースがほとんどです。しかし、無症状でありながら動脈硬化が着実に進行していくのがこの疾患の怖さです。定期的な健康診断で血液検査を受け、中性脂肪の推移を把握しておくことが非常に重要です。
ただし、中性脂肪が極端に高い場合(500mg/dL以上)には急性膵炎のリスクが急激に高まります。急性膵炎はみぞおちから背中にかけての激しい腹痛を伴う緊急性の高い疾患で、入院治療が必要になることもあります。中性脂肪値が著しく高い方は放置せず、速やかに治療を開始する必要があります。
高トリグリセライド血症は血液検査で診断されます。診断に用いる基準値を以下の表にまとめます。
| 項目 | 数値 |
| 基準値(正常範囲) | 30〜149mg/dL |
| 高トリグリセライド血症 | 150mg/dL以上 |
| 急性膵炎リスク上昇域 | 500mg/dL以上(要注意) |
トリグリセライドの値は食事の影響を非常に受けやすいのが特徴です。検査前に脂肪分の多い食事を摂ったりアルコールを飲んだりすると、数値が実際よりも高く出てしまいます。正確な結果を得るために、前日の夜から食事やアルコールを控え、10時間以上の絶食状態で採血を受けましょう。医療機関の指示に従って検査を受けることが大切です。
また、高トリグリセライド血症は単独で存在することもありますが、高LDLコレステロール血症や低HDLコレステロール血症と合併していることも少なくありません。健康診断でいずれかの異常が見つかった場合は、他の脂質の値もあわせてチェックし、総合的に脂質の状態を把握することが望まれます。
高トリグリセライド血症の改善に最も直結しやすいのが食生活の見直しです。次のポイントを意識して日々の食事を見直してみましょう。
就寝前の食事はエネルギーとして消費されにくく、中性脂肪として蓄積されやすくなります。夕食は就寝の2時間前までに済ませ、量も軽めにすることがポイントです。食事内容だけでなく、食べる時間帯にも気を配ることで、中性脂肪の値は改善しやすくなります。

余分なエネルギーを体にためこまないよう、日常生活に運動を取り入れることも重要です。ウォーキングや軽いジョギング、水泳など、取り組みやすい有酸素運動から始めましょう。駅ではエスカレーターの代わりに階段を使う、近距離は車を使わず歩くなど、日々の小さな工夫で運動量を増やすことも効果的です。1日30分以上、週3日以上を目安に継続することが推奨されており、可能であれば週180分以上を目標にしましょう。

食事や運動の改善を3〜6ヶ月続けても数値が正常化しない場合には、薬物療法を検討します。フィブラート系の薬は中性脂肪を下げる効果が高く、第一選択薬としてよく使われます。そのほか、EPA製剤(イコサペント酸エチル)も中性脂肪の低下と心血管イベントの予防に有効とされています。腎機能が低下している方にはフィブラート系の薬が使えない場合もあるため、治療の要否を含めまず主治医にご相談ください。薬を開始した後も定期的に採血を行い、数値の推移を確認しながら治療を続けることが大切です。
高トリグリセライド血症は自覚症状がないため病気として実感しにくいかもしれません。しかし、放置すれば動脈硬化が進行して心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすリスクが高まるほか、急性膵炎の原因にもなり得ます。健康診断で中性脂肪の高さを指摘された方は、早めに医療機関を受診して適切な管理を始めましょう。
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