定期予防接種(中野)
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診療内容 小児科
夏場にお子さんが高い熱を出し、のどの痛みや目の充血を訴えたら、「咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)」かもしれません。アデノウイルスが原因で起こるこの感染症は、かつてプールを介して広がることが多かったため「プール熱」とも呼ばれてきました。感染力がとても強く、保育園や学校では出席停止の対象にもなる病気です。高熱が数日続くためお子さんは辛い思いをしますが、多くの場合は安静にしていれば自然に回復します。ここでは咽頭結膜熱の特徴から治療、ご家庭での看護のポイントまで詳しく解説します。
咽頭結膜熱は、アデノウイルスへの感染によって発症する急性のウイルス感染症です。感染症法では5類感染症(定点把握対象)に指定されています。「発熱」「咽頭炎(のどの痛み・発赤)」「結膜炎(目の充血・目やに)」の3つの症状が特徴です。流行を引き起こすのは主にアデノウイルス3型ですが、2型・4型・7型・11型なども原因となります。アデノウイルスには多くの型が存在するため、一度かかっても別の型に再感染することがあります(参考:厚生労働省 咽頭結膜熱について)。
流行のピークは6〜8月の夏季ですが、近年では冬季にも小規模な流行が見られることがあり、年間を通じた注意が必要です。患者は5歳以下の小児が大半を占めますが、大人にも感染する可能性があり、大人が罹患した場合は子どもよりも症状が重くなる傾向があります。
アデノウイルスは非常に感染力が強いウイルスです。主な感染経路は次の3つです。
なお、アデノウイルスはアルコール消毒に対して抵抗性を示す点にも注意が必要です。消毒には流水と石けんによる手洗いが最も効果的です(参考:東京都感染症情報センター 咽頭結膜熱)。
感染から発症までの潜伏期間は5〜7日とされています。
咽頭結膜熱では、以下の3つの症状が同時にあるいは順番に現れます。
このほか、頸部リンパ節の腫れや圧痛、頭痛、腹痛、下痢、吐き気などを伴うこともあります。すべての症状が揃わない不完全型もあるため、流行時期に高熱が続く場合は早めの受診をおすすめします。
高熱は5日前後と比較的長く続き、全ての症状が消えるまでには1〜2週間程度かかります。
ほとんどのケースは自然に治癒しますが、まれにアデノウイルス7型などでは重症の肺炎を引き起こすことがあり、乳幼児では特に注意が必要です。また、中耳炎や熱性けいれんを併発する場合もあります。
診断にはアデノウイルス迅速検査を用います。綿棒でのどの奥をぬぐい、5〜10分程度で結果が判明します。症状と流行状況から臨床的に診断がつく場合には、検査を省略することもあります。
アデノウイルスに効く抗ウイルス薬は現在ありません。治療は症状を和らげる対症療法が中心です。高熱やのどの痛みには解熱鎮痛薬を使用し、結膜炎による目の充血や目やにには点眼薬を処方します。
高熱とのどの痛みで食事が十分に摂れなくなることが多いため、食事面での工夫が大切です。
入浴は、高熱やだるさが強い時期は控えめにし、元気があれば短時間なら問題ありません。ただし、感染予防のためタオルの共用は避けてください。
予防の基本は、こまめな手洗いとうがいです。アデノウイルスはアルコール消毒が効きにくいため、流水と石けんでしっかり手を洗うことが最も重要です。プールの後はシャワーを浴びてうがいを徹底し、タオルの共用は避けましょう。感染者の入浴は家族の最後にするのが望ましいです。症状が治まった後も約1か月は便中にウイルスが排泄されるため、おむつ交換後の手洗いを特に丁寧に行ってください。
咽頭結膜熱は学校保健安全法で第二種感染症に指定されています。「発熱、咽頭痛、結膜炎などの主要症状が消退した後2日を経過するまで」が出席停止期間です。症状が4〜5日続くことを考えると、少なくとも1週間程度のお休みが必要になるでしょう。登園・登校の再開には登園許可証の提出が必要になる場合が多いため、通っている園や学校に事前にご確認ください。クリニックプラスでは登園許可証の発行が可能です。
症状の経過や周囲の流行状況を確認します。LINEの事前問診をご利用いただくと、当日の診察がよりスムーズです。
のどの所見、リンパ節の腫れ、目の充血の有無など丁寧に診察します。
臨床所見だけでは診断が難しい場合に、アデノウイルス迅速検査を実施します。5〜10分で結果が分かります。
対症療法のお薬を処方します。脱水が強い場合やぐったりしている場合は、点滴が必要なこともあるため、専門医療機関をご紹介することがあります。
咽頭結膜熱は高熱が続き、のどの痛みも強いため、お子さんにとって辛い病気です。クリニックプラスは24時間LINEで予約が可能です。平日は夜20時まで、土日祝日も毎日診察しておりますので、お子さんの症状が気になるときはいつでもご来院ください。