花粉症・アレルギー性鼻炎とは?
アレルギー性鼻炎は、スギやヒノキなどの花粉が原因で起こる季節性アレルギー鼻炎(いわゆる花粉症)と、ダニやホコリなどが原因となる通年性アレルギー性鼻炎とに分けられます。花粉症全体の約7割を占めるとされるスギ花粉の飛散期は2〜3月ですが、その他の花粉だとヒノキが4〜5月、シラカバが4〜6月、カモガヤが5〜8月、ブタクサやヨモギが8〜10月となっています。
花粉症・アレルギー性鼻炎の症状は?
くしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状が出てきます。くしゃみは連続して起こり、回数が多いという特徴があります。また、鼻水は感染症の鼻水のように粘り気があるものではなく、サラサラとした無色のもので、すすっても戻りにくいのが特徴です。
どれくらいの症状が出ると重症ですか?
症状によって3つのタイプに分類されます。くしゃみと鼻水が症状として強い場合は、「くしゃみ・鼻水型」、鼻づまりが症状として強い場合は「鼻づまり(鼻閉型)」、両者が同じくらいの割合の場合は「充全型」となります。それぞれの症状の強さから重症度は決まります。くしゃみや鼻をかんだ回数が1日で20回を超える場合や、鼻が1日中つまっている場合は、最重症となります。
検査にはどのようなものがありますか?
当院では、アレルギーの原因物質である「アレルゲン」を調べるための血液検査を、ご希望の方に行なっております。アレルゲンが分かると、それを極力避けることで予防に繋がるというメリットがある他、「スギ」や「ダニ」がアレルゲンの場合は、舌下免疫療法の適応にもなりますので、症状が強い方や、積極的な治療をご希望の方には検査をおすすめしています。
※アレルギーの血液検査は未就学(5歳以下)のお子様には行っておりません。乳幼児の採血は大変難しい上に、採血量も多く、お子様の負担になるためです。
・治療にはどのようなものがありますか?
薬物療法・舌下免疫療法・手術療法の3つがあります。薬物療法と舌下免疫療法(保険適応)は当院で治療が可能です。
・薬物療法とはどんなものですか?
抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬の経口薬や、鼻噴霧用ステロイド薬、抗ヒスタミン薬の点眼薬が用いられます。花粉症は、症状が悪化すると薬の効果が得られにくくなりますので、特に例年強症状でお困りの方は、症状が出る前から症状を抑える薬を使い始める「初期療法」が勧められています。通常花粉飛散予測日より1週間前くらいから内服を開始しますので、お早めにクリニックを受診してください。
また、上記保険診療で処方される治療薬の他に、ボツリヌス療法という自費治療もあります。ボツリヌス療法とは、ボツリヌス菌から抽出した毒素を鼻腔内に点鼻することで、鼻の粘膜の副交感神経の興奮を抑え、花粉症による鼻水や目の痒みを改善させる治療です。詳細は自費診療のページでご案内しております。
・舌下免疫療法とは何ですか?
舌下免疫療法とは、アレルギー症状の原因となっているアレルゲンを少しずつ「舌の下」に投与していくことで、症状を緩和し、根治を目指すことができる治療です。「注射」による皮下免疫療法もありますが、リスクを考慮し当院では行っておりません。1日1回舌下に薬剤を投与するだけでよく、お仕事や家事で忙しい方々も治療できるメリットがあります。治療期間は2年以上、3〜5年が推奨されています。現在日本ではスギ花粉症とダニアレルギー性鼻炎に対して保険適応でこの舌下免疫療法が行われています。ただし、重度の気管支喘息をお持ちの方や、過去に舌下免疫療法を受けて副作用が出た方、5歳未満の小児の方は、治療を受けられませんのでご注意ください。
・花粉症で来院された方の当院での診療の流れ(診察所要時間目安:5〜7分)
1. 問診
症状について詳しくお話しを聞きます。花粉症などアレルギーの病気以外の病気が隠れていないかを判断します。(LINEの事前問診にお答えいただきますと、よりスムーズな診療を提供できますので、ご協力ください。)
2. 身体診察
呼吸の音に異常はないかなど、医師が丁寧に診察を行います。
3. 検査
花粉症を含むアレルギーの病気が疑われた際には、アレルギーの原因が何かを調べる血液検査を行います。検査の結果が出るまでに1週間ほどかかります。
4. 処方
血液検査でアレルギーの原因が特定されたら、お薬の治療を開始します。スギ・ダニが原因の方は、舌下免疫療法を受けることもできます。舌下免疫療法を受けられる方は、初回のみ、副作用などが出ないか院内で30分安静の上経過をみさせていただいております。2回目は1週間後に受診いただき、3回目以降は月に1回受診いただく形になります。途中で治療を止めると十分な効果が得られないことがありますので、気をつけましょう。