風邪を引いたわけでもないのに、くしゃみ・鼻水・目のかゆみ・咳などの症状が止まらない…
そのような場合、原因は特定の物質に対するアレルギーかもしれません。
アレルギー血液検査では、自分はアレルギー体質なのか、どんな物質に対してアレルギー反応を起こしてしまうのか、ということを調べることができます。
ここでは、アレルギー血液検査の種類や費用などについて詳しく解説します。
その症状、実はアレルギーかも?
特定の物質(アレルゲン)に対して体が過剰に反応してしまい、さまざまな症状が引き起こされることをアレルギー反応といいます。
アレルギー症状を抑えるためには、何が原因で症状が出ているのかを知ることが大切になります。
アレルギー血液検査では、自分がアレルギー体質であるかどうかや、症状を引き起こしているアレルゲンが何かを知ることができます。
アレルギー血液検査の種類
アレルギー血液検査には、その目的によってさまざまな方法があります。
まずは、アレルギー検査の種類について解説します。
アレルギー体質かどうかを知りたい場合
「非特異的IgE抗体(ひとくいてき アイジーイー こうたい)検査」
自分がアレルギー体質かどうかは、血液検査で非特異的IgE抗体の量を測ることでわかります。
喘息やアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などがある方で高値になります。
高値であれば、アレルギー体質である可能性が高いといえます。
特定の物質に対して、アレルギーがあるかどうかを知りたい場合
●RAST
原因となるアレルゲンがなんとなく思い当たる方は、「RAST(Radioallergosorbent Test:放射性アレルゲン吸着試験)」という検査で、そのアレルゲンに対してアレルギーがあるかどうかをピンポイントで調べることができます。
150種類以上ある項目の中から、調べたい項目を自由に選んで検査できます。
ただし、保険適用となるのは、一度の検査で13項目までです。
何に対するアレルギーがあるかを幅広く知りたい場合
アレルギー症状で悩んではいるものの、何に対するアレルギーかがわからないという場合、幅広くアレルゲンを調べる方法として、「MAST36」「MAST48MIX」「VIEW39」「ドロップスクリーン」という4つの検査があります。
※各院で取り扱いのある検査が異なります。取り扱いのある検査の詳細については、各院の問い合わせページから事前にお問い合わせをお願いいたします。
① MAST36
次のような、よくあるアレルゲン36項目について検査します。
*食物アレルゲン(20項目)
ミルク、小麦、卵白、オボムコイド、ゴマ、ソバ、大豆、米、ピーナッツ、マグロ、サケ、エビ、カニ、豚肉、牛肉、鶏肉、トマト、モモ、キウイ、バナナ
*花粉アレルゲン(8項目)
スギ、ヒノキ、ハンノキ、シラカンバ、ヨモギ、オオアワガエリ、カモガヤ、ブタクサ混合物(ブタクサ+オオブタクサ)
*その他アレルゲン(8項目)
ハウスダスト、アスベルギルス、カンジダ、ラテックス、コナヒョウダニ、イヌ皮膚、ネコ皮膚、アルテルナリア
② MAST48MIX
MAST36に、下記の6項目(18種類)が追加された検査です。
*食物アレルゲン(2項目)サバ、木の実(ヘーゼルナッツ+アーモンド+クルミ)
*花粉アレルゲン(2項目):イネ科(ナガハグサ、ハルガヤ、ギョウギシバ)、ブタクサモドキ
*その他アレルゲン(2項目):ヤケヒョウダニ、カビ(ペニシリウム+クラドスポリウム)
③ VIEW39
調べられるアレルゲンの多くはMAST36と同じですが、昆虫(ガ、ゴキブリ)などを追加で検査できます。
④ ドロップスクリーン
41項目のアレルゲンを、指先からのほんのわずかな血液で調べることができる検査です。
注射による採血が不要で、患者さんの負担を軽減することができ、小さなお子さんでも検査しやすい方法です。
アレルギー血液検査の費用は?保険は使える?
上記の検査はすべて、医師が必要と判断すれば保険診療で検査を受けることができます。
●「RAST」の費用(3割負担の場合)
1項目ごとに330円かかります。最大13項目調べた場合の費用は4,290円です。
非特異的IgE抗体などを同時に調べることも多いため、診察料などを合わせると、6,000~7,000円程度となります。
●「MAST36」「MAST48MIX」「VIEW39」「ドロップスクリーン」の費用
「RAST」を13項目調べた場合と同程度の費用となります。
アレルギー血液検査は何歳から受けられますか?
当院では6歳以上の方に対し、アレルギー血液検査を実施しています。
ドロップスクリーンについては、注射による採血が不要のため、0歳から検査が可能です。
アレルギー血液検査の信頼性は?
ダニ、ハウスダスト、カビ、動物などのアレルゲンでは、検査の信頼性は比較的高いといわれています。
一方で、食物系のアレルゲンに対する検査は、「補助的診断」の位置づけとなっています。
血液検査で陰性だったからたくさん食べてよいというわけでも、高い数値が出たから絶対に食べてはいけないというわけでもないのです。
アレルギー血液検査はあくまでスクリーニング検査で、アレルギーを引き起こす原因になりうるものを知ることができる検査です。
検査の結果が出たら、医師とよく相談し、自分に合った対応をとっていけるようにしましょう。
不快なアレルギー症状は、アレルゲンをできるだけ避けることで緩和できます。
そのために、自分がどのアレルゲンに反応しやすいのかを知ることは大切です。
アレルギーかもと思ったら医療機関を受診し、検査を受けるようにするとよいでしょう。
クリニックプラスは平日20時まで、土日祝日も毎日診療しています。
アレルギーが心配な方は、お気軽に相談にいらしてください。