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頻脈性心房細動
コラム
不安定狭心症(ふあんていきょうしんしょう)とは、狭心症の症状が悪化している状態のことです。発作の頻度が増えている、痛みが強くなっている、安静時にも症状が出るなど、これまでとは異なるパターンで発作が起こります。不安定狭心症は心筋梗塞(しんきんこうそく)の一歩手前の状態であり、急性冠症候群(きゅうせいかんしょうこうぐん)の一つに位置づけられています。
不安定狭心症の患者さんの約30%が発症後3か月以内に心筋梗塞を起こすという報告もあり、速やかな受診と治療が求められます。狭心症の症状にこれまでと異なる変化を感じたら、迷わず医療機関を受診してください。
急性冠症候群とは、冠動脈内のプラークが不安定な状態になって急激に冠動脈の血流が悪化する病態の総称です。不安定狭心症と急性心筋梗塞が含まれ、いずれも緊急の診断と治療が必要となります。不安定狭心症の段階で適切に対処できれば、心筋梗塞への進展を食い止められる可能性があります。
不安定狭心症の原因は、安定狭心症と同様に動脈硬化が主です。冠動脈の内壁に形成されたコレステロールのかたまり(粥腫・じゅくしゅ)が不安定な状態に変化することで発症します。安定狭心症では粥腫を覆う線維性の膜が厚く安定していますが、不安定狭心症ではこの膜が薄くなりもろくなっています。
薄くなった膜が破れると、その部分に血栓(けっせん・血のかたまり)が形成され、冠動脈をさらに狭くしたり一時的にふさいだりします。血栓によって冠動脈が完全にふさがれてしまうと、血流が途絶えて心筋が壊死し、心筋梗塞を発症してしまいます。不安定狭心症は心筋梗塞の一歩手前の非常に危険な状態です。
不安定狭心症の背景にある動脈硬化のリスク因子は以下のとおりです。
不安定狭心症の症状は安定狭心症と似た胸痛や圧迫感ですが、いくつかの重要な違いがあります。以下のような変化がみられる場合は、安定狭心症から不安定狭心症へ移行した可能性があります。
こうした変化がある場合は、心筋梗塞に移行する可能性があるため、一刻も早い受診が必要です。安静時に強い胸痛が20分以上続く場合は、救急対応が求められることもありますので、ためらわずに救急車を呼んでください。
不安定狭心症と心筋梗塞は症状だけでは区別が難しいことがあります。一般的に、不安定狭心症の胸痛は15〜20分程度で軽快することが多いのに対し、心筋梗塞では30分以上の激しい胸痛が続き、冷や汗・吐き気・強い不安感を伴うことが多いです。ただし、正確な判断には医療機関での検査が不可欠ですので、胸痛が長引く場合は速やかに受診してください。
不安定狭心症の重症度は、国際的に広く使われているBraunwald(ブラウンワルド)分類で評価されます。この分類は治療方針の決定にも重要な役割を果たします。
クラスが上がるほど心筋梗塞に進展するリスクが高まります。予後は冠動脈のどの部分がどの程度狭くなっているか、狭窄箇所の数によっても大きく左右されます。
不安定狭心症が疑われる場合、以下の検査を行って速やかに診断を確定します。
※心エコー検査は、医療機関によって受けられない場合があります。詳しくは各院のお問い合わせよりご相談ください。
※クリニックプラスでは、カテーテル検査を行っておりません。カテーテル検査が必要な場合には、実績のある専門医療機関へ迅速にご紹介いたします。
不安定狭心症は心筋梗塞への進展リスクが高いため、多くの場合入院して集中的な治療が必要です。心電図モニターで継続的に心臓の状態を監視しながら、薬物療法やカテーテル治療が行われます。
心筋梗塞への進展を防ぐため、複数の薬剤を組み合わせて集中的に治療を行います。
冠動脈の狭窄が高度な場合にはカテーテル・インターベンション(PCI)やバイパス手術(CABG)が行われます。不安定狭心症では緊急性が高い場合も多く、速やかに専門施設での入院治療が必要になることがあります。
治療後も動脈硬化の進行を防ぐために、生活習慣の改善は不可欠です。禁煙は必須であり、バランスの良い食事、適度な運動、ストレス管理を主治医と相談しながら継続的に取り組みましょう。処方された薬は自己判断で中断せず、定期的な受診を通じて経過を確認し続けることが大切です。
不安定狭心症は心筋梗塞に直結する可能性がある緊急性の高い病気です。狭心症の症状がこれまでと変わってきた、悪くなっているかもしれないと感じたら、一刻も早く受診してください。
クリニックプラスでは、循環器内科専門医による迅速な診察と検査が可能です。緊急性が高いと判断した場合には、カテーテル治療の実績がある提携病院への紹介を速やかに行います。LINEで24時間いつでも予約ができ、平日は20時まで、土日祝も毎日診察しておりますので、気になる症状がある方はお早めにご相談ください。