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頻脈性心房細動
コラム
体重が急に増えた、足がパンパンにむくむ、お腹が張って食欲がない。こうした症状は右心不全が原因かもしれません。右心不全は心臓の右側にある右心室のポンプ機能が低下することで、全身に血液が滞り、さまざまな症状を引き起こす病態です。左心不全に比べて症状の進行がゆっくりなことが多く、変化に気付きにくいため発見が遅れがちです。ここでは右心不全の原因、症状、検査、治療、日常生活での注意点を詳しく解説します。
心臓は右心房・右心室・左心房・左心室の4つの部屋に分かれています。全身をめぐって酸素を使い果たした血液は、大静脈を通って右心房に戻り、右心室から肺へ送り出されます。肺で酸素を受け取った血液は左心房に入り、左心室から再び全身へと送り出されます。
右心不全は、この右心室のポンプ機能が低下することで起こります。右心室が肺へ血液を十分に送り出せなくなるため、全身から戻ってくる血液を受け入れることもできなくなり、全身の静脈に血液や水分が溜まる状態に陥ります。
右心不全は単独で発症することもありますが、多くのケースでは左心不全に続いて発症します。左心不全によって肺の血圧が上昇すると、肺に血液を送り出す右心室に過大な負荷がかかり、やがて右心室も疲弊して右心不全を併発するのです。左右両方の心不全を合わせて「両心不全」と呼びます。
右心不全を引き起こす主な疾患や原因は以下のとおりです。
さらに、インフルエンザや肺炎といった感染症は右心不全を急激に悪化させる引き金になります。流行期には手洗い・うがいを徹底し、ワクチン接種を積極的に検討しましょう。
右心不全では全身の静脈に血液が停滞するため、体液貯留に関連した以下のような症状が現れます。
左心不全が息切れや呼吸困難を主な症状とするのに対し、右心不全ではむくみや体重増加といった体液貯留の症状が前面に出るのが特徴です。足を指で5秒ほど押してみて、へこみが戻らない場合は浮腫のサインです。日頃から体重やむくみの変化に注意を払いましょう。
また、右心不全では消化管にもうっ血が起こるため、食欲が低下して栄養状態が悪くなることがあります。栄養不足は心臓を含む全身の筋力低下につながり、心不全の悪化を招く悪循環に陥ります。塩分を控えながらも、たんぱく質やビタミンなど必要な栄養素はしっかり摂取することが大切です。栄養面で不安がある方は主治医や管理栄養士に相談してみてください。
右心不全の診断では、症状や身体所見の確認とともに以下の検査を行います。
※心エコー検査や胸部レントゲン検査は、医療機関によって受けられない場合があります。詳しくは各院のお問い合わせよりご相談ください。
右心不全の原因が左心不全であれば、左心不全の治療が右心不全の改善にもつながります。肺高血圧症が原因の場合は肺血管拡張薬が使用されます。弁膜症が原因であれば手術が検討されることもあります。
右心不全は完全に治すことが難しい病態ですが、適切な生活管理によって症状を安定させ悪化を防ぐことは十分に可能です。
右心不全の管理においては自分の体の変化に敏感になることも欠かせません。毎日同じ時間に体重を量ること、足のむくみを指で押してチェックすること、息切れの程度を意識することなど、日々のセルフモニタリングが急性増悪の早期発見につながります。少しでもいつもと違うと感じたら、次の予約を待たずに受診しましょう。
むくみや体重増加は日常でもよく経験する症状ですが、心臓の病気がある方やリスク因子をお持ちの方では右心不全の初期症状である可能性があります。「少しむくむ程度」と軽く考えず、変化に気付いた時点で循環器内科を受診することが大切です。
右心不全は完全に治すことが難しい病態ですが、適切な治療と生活管理によって症状をコントロールし、日常生活の質を保つことは十分に可能です。特に大切なのは定期的な通院と服薬の継続です。自己判断で薬をやめたり通院を中断したりすると、状態が急激に悪化するリスクが高まります。
クリニックプラスの循環器専門外来では循環器内科の専門医が心エコー検査をその場で実施し、結果を即日お伝えいたします。LINEから24時間ご予約が可能で、平日は夜20時まで、土日祝も毎日診察しています。大学病院や総合病院への紹介体制も整っていますので、安心してご来院ください。