コラム

労作性狭心症

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労作性狭心症とは

労作性狭心症(ろうさせいきょうしんしょう)とは、階段をのぼる・走る・重いものを持つなど、身体に負荷がかかったときに胸の痛みや圧迫感を感じる狭心症のことです。運動などで心臓がより多くの酸素を必要とするにもかかわらず、動脈硬化によって狭くなった冠動脈が十分な血液を供給できないために症状が起こります。

労作性狭心症は安静にすると数分で症状がおさまるのが特徴ですが、適切な治療を行わないと冠動脈がさらに狭くなったり血栓で詰まったりして、急性心筋梗塞に進展する危険性があります。心筋がまだ壊死していないこの段階で治療を開始できれば、予後を大きく改善させることが可能です。

労作性狭心症と冠攣縮性狭心症の違い

狭心症は発症のメカニズムによって、労作性狭心症と冠攣縮性狭心症(かんれんしゅくせいきょうしんしょう)に大きく分けられます。両者の違いを理解しておくことで、適切な検査や治療につなげることができます。

  • 労作性狭心症:動脈硬化によって冠動脈の内側が物理的に狭くなった状態。運動など体を動かしたときに発作が起こりやすい
  • 冠攣縮性狭心症:冠動脈の筋肉がけいれん(攣縮)を起こし、一時的に血管が狭くなる状態。安静時や夜間~早朝に起こりやすく、日本人に比較的多い

原因が異なるため使用する薬剤も異なります。たとえば、労作性狭心症で有効なβ遮断薬は冠攣縮性狭心症では症状を悪化させる可能性があります。正確な診断に基づいた治療が重要です。

労作性狭心症の原因

労作性狭心症の原因はほとんどが動脈硬化です。冠動脈の内壁にコレステロールなどが蓄積してプラーク(粥腫)が形成され、血管の内側が次第に狭くなります。安静時には問題がなくても、運動時に心筋が必要とする血液量が増えたときに供給が追いつかず、発作として症状が現れます。

動脈硬化を進行させるリスク因子

労作性狭心症を引き起こす動脈硬化のリスク因子には以下のものがあります。

  • 加齢:血管の弾力性が低下し、動脈硬化が進みやすくなります
  • 高血圧症:持続的な血管への圧力が動脈壁を傷つけます
  • 脂質異常症:血中LDLコレステロールが高いとプラーク形成が促進されます
  • 糖尿病:血管内皮へのダメージが動脈硬化を加速させます
  • 喫煙:血管収縮と内皮障害の両面からリスクを高めます
  • 肥満・運動不足:生活習慣病全般のリスクを高めます
  • ストレス:交感神経を刺激し、血圧上昇や血管収縮の原因となります

これらの因子を多く持つ方ほど動脈硬化が進みやすく、労作性狭心症のリスクが高まります。生活習慣の見直しによって予防・改善できる要素が多いため、日頃からの健康管理が重要です。

労作性狭心症の症状

労作性狭心症の代表的な症状は以下のとおりです。

  • 運動時に突然起こる胸の締めつけ感・圧迫感
  • 胸やみぞおちの漠然とした痛み(「ここが痛い」と指さしにくい広がりのある痛み)
  • 左肩・左腕・首・あご・頬・歯への放散痛
  • 息切れ・息苦しさ
  • 安静にすると数分(多くは5分以内)でおさまる

見逃しやすい症状

腹痛や歯痛だと思って別の科を受診したところ、実は労作性狭心症だったというケースも少なくありません。また、高齢者や糖尿病のある方では典型的な胸痛が現れず、息切れやだるさだけが症状として出ることもあります。このように胸痛以外の形で現れる症状を「狭心症の非典型症状」と呼びます。労作のたびに繰り返し胸の違和感がある場合や、これまでできていた運動で急に息が上がるようになった場合は、循環器内科を受診することをおすすめします。

症状を自覚しやすい場面

労作性狭心症の症状が起こりやすい場面としては、朝の通勤で急いで歩いたとき、階段や坂道をのぼったとき、重い荷物を運んだとき、寒い屋外で急に体を動かしたとき、食後に運動したときなどが挙げられます。こうした場面で繰り返し胸部症状が出る方は早めに検査を受けましょう。

労作性狭心症の診断・検査

労作性狭心症は安静時の心電図では異常が見つからないことが多いため、以下の検査を組み合わせて診断します。

  • 運動負荷心電図検査:トレッドミルやエルゴメーターで運動しながら心電図を記録し、心筋虚血の有無を確認する最も有用な検査です
  • 心エコー検査:超音波で心臓の動きやポンプ機能を評価します
  • 血液検査:コレステロール値・血糖値など動脈硬化のリスク因子や心筋損傷の指標を測定します
  • 心臓CT検査:冠動脈の狭窄の程度を画像で詳しく確認できます
  • 心臓カテーテル検査:冠動脈の状態を最も正確に把握でき、治療方針の決定に役立ちます

※心エコー検査は、医療機関によって受けられない場合があります。詳しくは各院のお問い合わせよりご相談ください。

※クリニックプラスでは、カテーテル検査を行っておりません。カテーテル検査が必要な場合には、実績のある専門医療機関へ迅速にご紹介いたします。

労作性狭心症の治療法

発作時の対処

発作が起きたときはまず安静にします。ニトログリセリンの舌下錠を使用すると1〜2分で冠動脈が拡張し、症状が改善します。ただし、ニトログリセリンはあくまで一時的に症状を和らげるものであり、根本的な治療ではありません。定期的な通院と薬物治療の継続が必要です。

薬物療法

発作の予防と心筋梗塞への進展防止のために、次のような薬が処方されます。

  • 血管拡張薬:冠動脈を広げて血流を改善します
  • β遮断薬:心拍数を抑え、心臓の酸素消費量を減らして発作を予防します
  • 抗血小板薬:血栓の形成を抑え、心筋梗塞を予防します
  • スタチン系薬剤:コレステロール値を下げてプラークの安定化を図ります

カテーテル治療(PCI)とバイパス手術(CABG)

冠動脈の狭窄が高度な場合や薬物療法だけでは症状がコントロールできない場合には、カテーテル・インターベンション(PCI)やバイパス手術(CABG)が検討されます。PCIでは冠動脈にバルーンを挿入して血管を広げ、ステントで補強します。バイパス手術はカテーテル治療が難しいケースや狭窄が複数箇所にわたる場合に選択されます。

※当院ではカテーテル治療やバイパス手術は施行しておらず、必要時には高次医療機関へ紹介しております。

再発予防のために

治療後も冠動脈に新たな狭窄ができることがあります。再発を防ぐには、禁煙・食事管理・適度な運動を継続し、高血圧や糖尿病などの生活習慣病がある場合はしっかり治療することが重要です。処方された薬は自己判断で中断せず、定期的な受診で経過を確認しましょう。

心臓リハビリテーション

カテーテル治療やバイパス手術の後には、心臓リハビリテーションが行われることがあります。医師や理学療法士の指導のもとで適切な運動を段階的に行い、心臓機能の回復と体力の向上を目指します。心臓リハビリテーションは再発予防にも有効であることが多くの研究で示されています。

労作時の胸痛を感じたら

階段や坂道をのぼったときに繰り返し胸の痛みを感じる場合は、労作性狭心症の可能性があります。放置すると心筋梗塞につながる恐れがあるため、早めの受診が大切です。

クリニックプラスでは、循環器内科の専門医が心電図・血液検査・心エコーなどの検査を行い、丁寧に診断いたします。必要に応じて、カテーテル治療の実績がある提携病院への紹介も迅速に対応しています。LINEから24時間いつでも予約ができ、平日は20時まで、土日祝も毎日診察しておりますので、お仕事帰りや休日にもお気軽にご来院ください。

※循環専門外来は曜日・時間によっては対応していない時間がございますので、詳細は各院のページをご確認ください。

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