- 循環器専門外来
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頻脈性心房細動
コラム
冠動脈硬化症(かんどうみゃくこうかしょう)は、心臓の表面を走る冠動脈に動脈硬化が起こり、血管の内側が徐々に狭くなっていく病気です。冠動脈は心筋(しんきん)に血液と酸素を届ける大切な血管であり、ここに動脈硬化が進行すると、心臓に十分な血液が送れなくなります。
冠動脈硬化症の初期段階では自覚症状がほとんどありません。しかし、進行すると狭心症(きょうしんしょう)を引き起こし、さらに放置すると冠動脈が完全に詰まって心筋梗塞(しんきんこうそく)という命に関わる重篤な状態に至るおそれがあります。「症状がないから大丈夫」と油断せず、リスク因子をお持ちの方は早めの検査が重要です。
冠動脈硬化症の発症には、加齢による血管の老化に加えて、日々の生活習慣が大きく関わっています。血管の内壁にコレステロールなどの脂質が蓄積し、粥腫(じゅくしゅ)と呼ばれるプラークが形成されることで血管の内側が狭くなっていきます。
冠動脈硬化症のリスクを高める主な要因は以下のとおりです。
| 危険因子 | 概要 |
| 加齢 | 年齢とともに血管は弾力を失い、硬くなりやすくなる |
| 脂質異常症 | LDLコレステロールの上昇がプラーク形成を促進する |
| 高血圧 | 血管壁への負担が大きくなり、傷つきやすくなる |
| 糖尿病 | 高血糖が血管内皮を障害し、動脈硬化を加速させる |
| 喫煙 | 血管内皮を直接傷害し、血液を固まりやすくする |
| 肥満・運動不足 | 内臓脂肪の蓄積がインスリン抵抗性や脂質異常を招く |
| 過度の飲酒 | 中性脂肪の上昇や高血圧を引き起こす |
これらの危険因子が複数重なるほど動脈硬化は加速します。生活習慣病をしっかり管理することが、冠動脈硬化症の予防に直結します。
冠動脈硬化症の大きな特徴は「気づきにくさ」にあります。初期の段階ではほとんど症状が現れず、冠動脈の内側がかなり狭くなって初めて自覚症状が出現します。
冠動脈の内側が約75%以上狭くなると労作時に胸痛が出現し始め、これが狭心症の状態です。さらに進行して冠動脈が閉塞すると、突然の激しい胸痛とともに心筋梗塞を発症します。心筋梗塞は前兆なく突然起こることもあるため、危険因子を持っている方は定期的な検査が大切です。
冠動脈硬化症は初期に症状が乏しいため、リスク因子を持つ方への積極的なスクリーニングが重要です。主な検査方法を以下にまとめます。
当院では心電図・血液検査・心エコー検査を中心に評価を行い、冠動脈CTなどの精密検査が必要な場合には提携する画像診断クリニックや専門病院をご紹介します。
冠動脈硬化症の治療は、動脈硬化の進行を抑えて将来の狭心症や心筋梗塞を予防することが中心となります。
治療の基本は生活習慣の見直しです。禁煙、バランスの良い食事(塩分・脂質・糖質の管理)、定期的な有酸素運動、適正体重の維持、適度な飲酒量への制限などに取り組みます。生活習慣の改善だけでも動脈硬化の進行を大きく遅らせることが可能です。
危険因子のコントロールのため、以下のような薬が処方されます。
冠動脈硬化症が進行して高度な狭窄が認められた場合には、カテーテルによるステント留置や冠動脈バイパス手術が必要になることもあります。治療の必要性が判断された際には、実績のある提携病院への紹介を迅速に行います。
冠動脈硬化症は長い年月をかけて進行する病気であるため、継続的な管理が不可欠です。定期的に血液検査や心電図検査で経過を観察し、危険因子のコントロール状況を確認していきましょう。健康診断でコレステロールや血圧の異常を指摘されたことがある方は、まず一度受診されることをおすすめします。
クリニックプラスは24時間LINEからご予約いただけます。平日は夜20時まで、土日祝日も診察を行っておりますので、ライフスタイルに合わせた受診が可能です。動脈硬化が気になる方、健診で異常を指摘された方は、お気軽にご相談ください。