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頻脈性心房細動
コラム
急性心不全は、心臓のポンプ機能が急激に低下し、突然の激しい呼吸困難や血圧の低下を引き起こす緊急性の高い病態です。前兆となる症状がほとんどなく突然発症するのが最大の特徴であり、対応が遅れれば命にかかわることも少なくありません。しかし、発症初期に迅速な治療が行われ、急性期を脱した後も適切な管理が続けられれば、予後を大幅に改善することが可能です。ここでは急性心不全の原因、症状、検査、治療法、そして予防のために日常で気を付けるべきことについて詳しく解説します。
心臓は全身に血液を送り出すポンプの役割を果たしています。何らかの原因でこのポンプ機能が急激に悪化し、体が必要とする血液を十分に送り出せなくなった状態が急性心不全です。
心不全は発症のスピードによって急性と慢性に大別されます。急性心不全は名前のとおり数時間から数日のうちに急速に症状が進行するタイプで、慢性心不全が数か月から数年かけてゆっくり進行するのとは対照的です。なお、もともと慢性心不全のある方が急激に状態を悪化させた場合も「急性心不全」に該当します。急性増悪と呼ばれるこのパターンは臨床上非常に多く見られます。
病気の進行具合や生存率の見通しのことを「予後」といいます。急性心不全は突然死の原因にもなりうるため、生命予後は決して楽観できません。日本循環器学会のガイドラインでも、急性心不全で入院した患者さんの院内死亡率は5~10%程度と報告されており、退院後も再入院のリスクが高い病態です。
しかし、発症直後に迅速な治療が行われ、急性期を脱した後も慢性期の管理(薬物療法・生活管理)が適切に継続されれば、予後は大きく改善します。「いかに早く、いかに的確に対処できるか」が急性心不全の転帰を左右するポイントです。
最も多いパターンの一つが、もともと慢性心不全のある方の状態が急激に悪化するケースです。感染症(風邪や肺炎など)、塩分や水分の過剰摂取、処方薬の飲み忘れや自己中断、過労やストレスなどが引き金になることがあります。慢性心不全が重症化すると急性増悪を繰り返して入退院を繰り返すようになるため、日頃の状態管理が極めて重要になります。
急性心不全を引き起こす代表的な疾患は以下のとおりです。
急性心不全は前兆がほとんどなく突然発症するのが特徴です。主な症状を以下に挙げます。
これらの症状が突然現れた場合は命にかかわる可能性があるため、ただちに救急車を呼ぶなど迅速な対応が必要です。
急性心不全に明確な前兆はほとんどないとされています。ただし、もともと慢性心不全のある方では、体重が数日で急に増える、むくみが強くなる、夜間の息苦しさが増すなどの兆候が急性増悪に先行することがあります。日頃から体重や症状の変化をチェックしておくことが、急性増悪の予兆を察知する助けになります。
急性心不全が疑われる場合には、以下の検査を速やかに実施し診断を確定します。
※心エコー検査や胸部レントゲン検査は、医療機関によって受けられない場合があります。詳しくは各院のお問い合わせよりご相談ください。
急性心不全の治療では救命と症状安定が最優先となります。急性心不全と診断した際には、原則入院管理を必要とする場合が多く、専門治療が受けられる医療機関に迅速にご紹介致します。
急性期の治療後は、再発を防ぐための慢性期管理が重要です。β遮断薬やACE阻害薬/ARBなどの心不全治療薬を継続して服用し、生活習慣の改善にも取り組みます。退院後の定期的な通院が予後改善の鍵となります。
急性心不全は突然起こるため完全に防ぐことは難しいですが、リスク因子を管理することで発症の可能性を大幅に下げることができます。特に高齢の方や慢性心不全のある方は次の点を意識してください。
急性心不全は一刻を争う病態ですが、発症リスクを下げるための日常管理は十分に可能です。息切れやむくみ、急な体重増加など心不全を疑わせる症状がある方は、早めの受診で安心を手に入れましょう。
クリニックプラスの循環器専門外来では循環器内科の専門医が迅速に対応し、心エコーをはじめとした検査をその場で実施できます。緊急性が高いと判断された場合は、提携する大学病院や総合病院へ速やかにご紹介いたします。LINEから24時間ご予約が可能で、平日は夜20時まで、土日祝も毎日診察しています。少しでも不安を感じたら、まずはお気軽にご相談ください。