子宮頸がんワクチンについて知ろう! 種類や副反応についても解説 

若い女性に増えている子宮頸がんは予防できる病気です。子宮頸がんワクチンは予防にとても有効ですが、副反応のことがメディアでも取りざたされ、打ったほうがよいのか打たないほうがよいのか迷っている方もいるかもしれません。子宮頸がんワクチンについて正しく理解し、安心してワクチン接種にのぞめるよう、効果や副反応、接種のタイミングなどについて解説していきます。

子宮頸がんとは

子宮頸がんは子宮の入り口、子宮頚部に発生するがんのことです。性感染症であるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因で、90%はウイルスが自然にいなくなるものの、10%ではウイルスがいなくならずに感染が続いてしまいがんに進行する可能性があります。

子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)感染症

HPVには100種類以上のタイプがあります。大半のHPVは感染しても一時的なもので90%は2年以内に自然治癒するため問題にはなりませんが、HPVのうち13種類の感染が続くと子宮頸がんになることがわかっています。中でも16型、18型という2種類のHPVが子宮頸がんの原因の70%を占めています。

HPVは性交渉により感染し、性交渉経験のある女性の50%以上で感染経験があるとされます。性交渉の経験があれば誰でも感染のリスクがあるということです。また、一度自然治癒しても一生に何度も感染する可能性があります。

子宮頸がんは増えている

子宮頸がんになるひとは1年間で約1.1万人、そのうちの約2900人が死亡しています。過去10年間で他のがんで亡くなる方は減っているものの、子宮頸がんで亡くなる方は少しずつ増える傾向にあり、発症が若年化していることが問題となっています。子宮頸がんは他のがんと違って20代でも発症し、40代で一番多く診断され、また、治療のため30代で子宮を失う人が年間1000人いるともいわれています。

子宮頸がんを予防する

子宮頸がんは予防しやすいがんです。予防接種、それからがん検診を組み合わせることで発症を予防し、進行がんになる前にみつけることができます。

がん検診を受ける

HPVの感染は進行すると数年~数十年で子宮頸がんになります。HPVに感染すると大半は自然に消失しますが、一部で感染が持続し「異形成」という前がん病変ができます。前がん病変に至っても一部は自然に正常に戻ることがありますが、「前がん病変」はがんになる手前の状態です。検診ではがんになる前の状態をみつけて手術することで、子宮頸がんを予防します。しかし手術をすると妊娠や出産に影響をおよぼしてしまうこともあるので、まずは感染を予防することが大切です。

子宮頸がんワクチンを打つ

HPVのうち16型、18型という2つのタイプが子宮頸がんを発症させやすいことがわかっています。子宮頸がんワクチンは3種類ありますが、いずれも子宮頸がんを発症しやすいHPVの2タイプを含むため、子宮頸がんを予防することができます。

子宮頸がんワクチンの種類と違い

子宮頸がんワクチンは3種類あり、それぞれに特徴があります。

子宮頸がんワクチン3種類いずれも定期接種の対象

日本国内で認可されているものは「サーバリックス」、「ガーダシル」、「シルガード9」の3種類です。

いずれのワクチンも定期接種対象の方は公費(無料)で受けることが可能です。

3種類の違いは含まれる遺伝子型の数で2価、4価、9価と数が多くなるほど子宮頸がんを予防できる可能性や、ほかの病気も防げる可能性が高くなります。

サーバリックスは2価で子宮頸がんの主な原因となるHPV16型、18型に対するワクチンです。ガーダシルは4価で、良性の尖形コンジローマや肛門がんなどにも対応します。

シルガード9は9価で、2価や4価のワクチンに比べ、さらに予防できる疾患が多く、90%以上の子宮頸がんを予防することができます。

定期接種は性交渉を経験する前に全3回

ワクチン接種は性交渉を経験する前のタイミングで受けると効果を得やすいため、小6~高1の女子が定期接種の対象です。中学1年生のあいだにすべての接種を終わらせるのが標準的で、ワクチンにより間隔は異なりますが、いずれも半年以内に全3回を終わらせることが推奨されています。(シルガード9は、9歳〜15歳未満の方に限り、全2回の接種が可)

定期接種の年齢を超えると性交渉を経験している方が多くなるため対象外になりますが、効果が弱くなるものの、希望すれば接種もできます。

定期接種対象外のワクチン接種は、自費で1回1万~3万程度、全3回で5〜8万程度かかります。

4価「ガーダシル」は男子も接種できる

HPVは性交渉でうつる性感染症なので、女性だけでなく男性の感染予防も大切です。海外20か国以上で、男子へのワクチン接種が積極的に勧められています。日本では公費助成はなく自費になりますが、4価「ガーダシル」を打つことができます。ガーダシルの接種により男性の肛門がん、尖圭コンジローマの予防効果がわかっており、また、性交渉により女性にHPVを感染させるリスクも減らすことができます。接種のタイミングは女性と同様、性交渉前が望ましいとされます。

キャッチアップ接種

キャッチアップ接種は定期接種の時期に接種しそびれた方の救済措置で、決められた期間であれば公費接種することができます。接種の方法、申請の手続きについては自治体により異なるため各自治体にご確認ください。

定期接種を逃した人はキャッチアップ接種

キャッチアップ接種は誕生日が1997年4月2日~2006年4月1日生まれの女性の方で、子宮頸がんワクチンを計3回接種していないひとが対象です。現時点では2022年4月~2025年3月の3年間は公費で子宮頸がん予防ワクチンを接種できます。これは、国がワクチン接種を積極的には勧めていなかった時期に定期接種の対象となっており、受けそびれた方のために設けられたものです。未接種の方は3回、1回受けている方は残り2回、と全3回のうち接種していない分を公費で受けることができます。

定期接種の対象年齢から外れるけど効果はある?

これまでの研究で16歳頃までに接種するのが一番効果が高いことがわかっていますが、それ以上の年齢でもある程度効果が得られることがわかっています。なるべく早く打つことをお勧めします。

子宮頸がん予防のためにはワクチン接種だけでなく、定期的ながん検診、性感染症予防も忘れずに行ってください。

子宮頸がん予防ワクチンの副反応

子宮頸がんワクチンにも一定数で副反応がみられることがあります。

主な副反応は局所の痛み

筋肉注射のワクチンであることもあり、痛みや腫れ、発赤といった副反応が報告されますが、これは一般的なワクチンと同じです。子宮頸がんワクチンに限ったものではなく、症状はいずれも数日以内によくなります。注射への不安や痛みにより気分が悪くなったり、なかには意識を失ってしまう方もいるため、心配がある場合には事前に申し出るといいでしょう。接種後30分の安静をとることも勧められています。

その他ワクチン接種後の副反応として以下のようなものが報告されています。

10%以上;注射部位の痛みや赤み・腫れなど

1~10%未満;注射部位のかゆみや出血・不快感、発熱、頭痛など

1%未満;手足の痛み、腹痛・下痢など

頻度不明;だるさ、失神、筋痛・関節痛、嘔吐など

                    (ガーダシル®添付文書(第2版)より改編)

ワクチンとの関係がはっきりしないものも含めて、ワクチン接種後に何かしらの症状があったと報告されたのは、接種1万人あたり約10人でした。そのうち9割の症状は短期間で症状の改善が得られています。

重篤な副反応として、アナフィラキシー、ギラン・バレー症候群、急性散在性脳脊髄炎などが報告されていますが、いずれも頻度としては非常に稀で、アナフィラキシーは約96万接種に1回程度、ギラン・バレー症候群や急性散在性脳脊髄炎は約430万接種に1回程度と報告されています。

接種後の多様な症状

2013年に子宮頸がんワクチンが定期接種化されましたが、ワクチンを打ったあとに体全体に広がる慢性の痛み(複合性局所疼痛症候群:CRPS)がでたとの報告がありメディアでも大きくとりあげられました。しかし、その後の厚生労働省の調査により、この症状がHPVワクチンの接種で特におおくみられるものではないことがわかっています(約860万接種に1回程度)。その他にも、手や足が動かしにくい、勝手に動いてしまうといった「多様な症状」が報告されましたが、いずれもワクチン接種と関係あることは証明されなかったため、改めて子宮頸がんワクチンの定期接種が勧められるようになったのです。

接種後の異常は医療機関へ

子宮頸がんワクチン接種後に生じた症状に対する診療を行う協力医療機関が全国各都道府県に配置されています。接種後に異常があった場合にはまず、接種した医療機関を受診し、地域ごとに選定されている協力医療機関の受診を検討してください。
また、非常に稀ではありますが、生活に支障が出るような障害が残るなどの健康被害が生じた方を対象とした予防接種健康被害措置制度というのもあります。こちらに申請し、認定されると、予防接種法に基づく救済(医療費・障害年金等の給付)を受けることができます。給付申請を検討する場合には、診察した医師、保健所、お住まいの市区町村の予防接種担当課へご相談ください。

子宮頸がんは予防できる

定期接種により50~70%の子宮頸がんが予防できることがわかっています。子宮頸がんによる死亡者数は年々増え、特に20代、30代の若い世代で発症が多く、子宮頸がんはマザーキラーとも呼ばれています。仕事や子育てで忙しく、自身の身体に無頓着になりやすい時期でもありますが、子宮頸がん予防ワクチンの接種、それから子宮頸がん検診を受けることで早期発見をこころがけてください。

日本での子宮頸がんワクチン接種は、先進国の中でもかなり遅れをとっており、それが子宮頸がん患者数・死亡数の増加に繋がっています。子宮頸がんワクチンについて正しい知識を持って、ワクチン接種を行うことで、子宮頸がんの発症を防ぐことができます。クリニックプラスでは、平日夜の8時まで、さらには土日祝日もワクチンの接種が可能です。子宮頸がんワクチンの接種を検討されている方は、お気軽にご相談ください。

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