・ニキビ(尋常性痤瘡)とは?
ニキビは日本人の90%以上が経験する疾患で、特に思春期に悪化するケースが多いですが、大人でもニキビで悩んでいる方は沢山います。ニキビの出方は、生活習慣やストレスなどの環境的な要因のほか、遺伝的な要因もあると言われています。ニキビについて知識を深め、適切なケア・治療を行うことで、ニキビの悩みを解決することができます。
・ニキビの発症メカニズム
ニキビが発症するまでを4つのステップで説明できます。
1. アンドロゲン(男性ホルモン)が皮脂をつくる脂腺の活動を活性化させます。
2. すると、毛穴が皮脂で詰まります。この状態を面皰(めんぽう)と言います。
3. そして、毛包内にアクネ菌(ニキビ菌)が皮脂の増加とともに増殖します。アクネ菌は自身の持つリパーゼという酵素で皮脂を分解し、遊離脂肪酸に変えます。
4. アクネ菌と遊離脂肪酸が、炎症物質を産生し、それによって招集された好中球という白血球が毛包を破壊することでさらに炎症が強まり、ニキビとなります。
・ニキビになりやすい肌はどんな肌?
肌質は皮脂量と水分量の組み合わせで、「普通肌」、「脂性肌」、「乾性肌」、「乾燥型脂性肌」の4つに分類されます。ニキビができやすいのは、皮脂量が多く、水分も多い「脂性肌」(いわゆるオイリースキン)です。キメが粗く毛穴が目立つ、すぐに化粧崩れしまう、毛穴が黒ずんで見えるといった方は「脂性肌」の可能性があります。
編集/光井武夫:新化粧品学 第2版, p.32, 南山堂, 2001
・ニキビの症状は?
ニキビの出来始めは、皮脂が詰まった面皰と呼ばれる状態であり、正常な皮膚の色で小さな盛り上がりとしてみられる白ニキビ(閉鎖面皰)と、毛穴に溜まった汚れが黒ずみとしてみられる黒ニキビ(開放面皰)があります。これに炎症が加わると、赤みを帯びたブツブツの赤ニキビ(紅色丘疹)となり、黄白色の膿(膿疱)を伴うようなります。炎症が進んだニキビは、瘢痕を残すことがあり、これは一度できてしまうとなかなか良い治療法がないので、早期に適切なケア・治療を行うことが大切です。
・ニキビの治療
ニキビの治療は継続することが最も大切です。具体的には①抗菌薬の外用あるいは内服、②ビタミンの補充、③ピーリング(毛穴のつまりを軽減する)の3つがメインの治療となります。また、急性期と慢性期で必要な治療が変わってくるので、医師とこまめに相談しながら、薬を使用して行くことが、治療への近道です。当クリニックでは、保険診療下で、抗菌薬の飲み薬や塗り薬、ビタミン剤の処方や、ピーリング効果のある薬を処方することが可能です。ニキビに効く漢方薬も取り扱っております。
また、日々のスキンケアや生活リズムの改善もニキビの治療・予防には欠かせません。当クリニックでは適切なスキンケアの指導も行なっております。
さらに当院では、これらの治療や日々の生活リズムやスキンケアを徹底しても、なかなかニキビが改善しない方には、自費診療になりますが、ケミカルピーリングや高濃度ビタミン点滴療法なども行っております。
・ニキビで来院された方の当院での診療の流れ(診察所要時間目安:5〜7分)
1. 問診・診察
皮膚疾患は見た目の診察と患者さんからのお話が診療のほとんどをしめます。事前問診でお答えいただいた内容に加えて、診断に必要な情報や所見を集めます。
2. 処方・スキンケアの指導
診断がついたらお薬を処方します。塗るタイプのお薬と飲むタイプのお薬をうまく使い分けて処方いたします。また、日々のスキンケアや生活リズムの改善もニキビの治療・予防に重要なので、適切なスキンケアの指導などもいたします。