診療内容 皮膚科

水いぼ

お子さんの体に小さな水ぶくれのような「いぼ」ができ、徐々に広がっている…その症状は「水いぼ」かもしれません。
水いぼは、特に小さなお子さんに発症しやすい皮膚のウイルス感染症です。
水いぼの治療と生活の注意点について解説します。

水いぼとは

水いぼの原因や症状について解説します。

水いぼはウイルスが原因

水いぼの原因は「伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)ウイルス」です。
子どもの5〜10%ほどが水いぼを発症するといわれており、それほど珍しい疾患ではありません。
皮膚表面の傷や毛穴などからウイルスに感染し、小さく光沢のあるいぼが複数出現することが多いです。
水いぼ自体に痛みはありませんが、かゆみを感じることがあり、引っ掻くと感染が広がる原因になってしまいます。

人から人へうつるので注意

水いぼは、自分の体で広がるだけでなく、他の人へも感染する可能性があります。
水いぼの中身は、実は液体ではありません。ウイルスを含んだ「モルスクム小体」と呼ばれる塊が詰まっています。
引っ掻くなどしてこの「モルスクム小体」が飛び出して皮膚に付着すると、感染が広がるのです。

水いぼのお子さんと接するときなどは、直接触れないように注意しましょう。
大人の場合、病気や薬の影響で免疫不全状態になっていると、水いぼを発症する可能性が高まります。
また、陰部の周りに性感染症(STD:Sexual Transmitted Disease)として発症する場合もあります。

水いぼの治療

水いぼの治療法は、大きく3つあります。

①摘出する
ピンセットのような器具を使い、水いぼを直接摘出します。
事前に麻酔テープを貼ることで痛みは軽減できますが、小さな水いぼが多数ある場合には、数回にわけて治療を行います。

②凍らせる
液体窒素を当てて凍らせます。痛みが強く、水ぶくれや血豆ができてしまうかもしれません。

③外用薬・内服薬
外用薬、内服薬でも水いぼの治療ができます。
痛みはありませんが、上記の2つの方法に比べると治癒率は低くなります。

外用薬
硝酸銀ペーストの塗布、サリチル酸を含んだシールの貼付、ポビドンヨードの塗布、ビダラビン軟膏の塗布、といった方法があります。当院では、銀イオンの抗ウイルス作用と、サクランなどの保湿成分を組み合わせた外用薬「M-BFクリーム」を取り扱っています。

●1日2回患部に塗るだけの簡単な治療です。物理的に摘除する方法と異なり、痛みが少なく、皮膚への刺激も軽めであるため、小さなお子さまにも使いやすい治療法です。

●使用後1~2か月で赤みが出始め、約3~6か月で徐々に水いぼが小さくなる例が多く見られています。

●副作用はごくまれで、かぶれやかゆみなどが報告されていますが、重篤な副作用は報告されていません

「M-BFクリーム」は保険適用外(自費診療)となります。料金は1本あたり2,200円(税込)です。

内服薬
「ヨクイニン」と呼ばれる漢方の飲み薬を使う方法もあります。
全員に効果があるわけではありませんが、数か月単位で服用し、水いぼに対する体の抵抗力を高めます。

④自然治癒を待つ
治療をしなくても、時間の経過とともに自然治癒するので、治療せずに待つという選択肢もあります。
お子さんが「治療は痛い」と覚えてしまうと、通院が難しくなってしまうかもしれません。
お子さんの年齢や性格などを考慮して、治療方針を決めましょう。
自然治癒を待つ場合は、1〜2年ほどかかることが多いです。

水いぼと似た皮膚の病気

水いぼと見た目や性質が似た皮膚疾患を2つご紹介します。

いぼ(尋常性疣贅 じんじょうせいゆうぜい

いぼも、子どもに多いウイルス感染症です。
ヒトパピローマウイルス(HPV:Human Papillomavirus)による感染症で、手荒れの傷やささくれからウイルスが侵入することで発症します。
水いぼとは違い、いぼの表面はガサガサで、比較的大きいのが特徴です。

HPVと聞くと、子宮頸がんや尖圭コンジローマなどを想像する方が多いかもしれません。
HPVには約220種類の型があり、いぼ・子宮頸がん・尖圭コンジローマはそれぞれ異なる型のHPVです。
いぼができたからといって、子宮頸がんになることはありません。

治療法は、液体窒素を当てる事です。

とびひ

正式には、伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)と呼びます。
皮膚にすみついているブドウ球菌や溶連菌などが傷に入り込んで感染を起こし、水ぶくれがいくつも次々に広がる病気です。

とびひは「プールに入ってはいけない」という点が、水いぼと大きく違います。
また、幼稚園や学校に行く場合は、水ぶくれの部分をガーゼなどできちんと覆わなくてはなりません。
軽症の場合は、抗菌薬の塗り薬、症状がひどかったり範囲が広かったりする場合には、抗菌薬の内服薬を使って治療します。

水いぼがあるときの生活の注意点

水いぼがあるときには、感染拡大を予防するために注意したいことがあります。

プールや温泉は入っても大丈夫

プールや温泉に入ること自体は問題ありません。
ただし、ビート板やタオルなどを介して感染する可能性がありますので、できるだけ共有は避けましょう。
また、プールのあとはしっかりとシャワーで洗い流し、スキンケアも行うようにしてください。

スキンケアをしっかり

乾燥肌やアトピー体質のお子さんは、肌のバリア機能が弱っており、水いぼのウイルスが侵入しやすい状態です。
清潔に保ち、保湿をしっかり行いましょう。アトピーの治療も並行して行うとよいです。
体を洗うときには、タオルなどを使わずに手で優しく洗ってください。
小さな傷やささくれからウイルスが侵入してしまうので、保湿などのスキンケアで皮膚をよい状態に保つことが、感染拡大予防のために大切です。

直接水いぼを触らないように

兄弟や友達間で遊んでいるときなどに、水いぼを直接触るとうつってしまう可能性があります。
直接触らないよう、水いぼのある部分をガーゼや洋服で覆うようにしましょう。

クリニックプラスでの水いぼの診療の流れ

①問診

症状などの病歴について話を聞きます。LINEの事前問診にお答えいただくと、診療がスムーズに行われます。

②診察

患部の診察を行います。皮膚疾患の診断は視診が重要です。医師が丁寧に診察を行っていきます。

③治療

問診と視診で水いぼと診断出来たら、専用の器具で摘出したり、液体窒素の治療を行ったりします。
1回で取り切れないこともあり、その時は数回にわたって治療を続けます。
痛みのある治療に抵抗がある方、水いぼが広がっている方などには、自費診療になりますが、「M-BFクリーム」外用薬の使用を推奨しています。

水いぼはごくありふれた疾患です。
お悩みの方は、医療機関を受診することで解決するかもしれません。
水いぼは皮膚科専門外来で診療しております。お悩みの方は、是非一度ご相談にいらしてください。

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