- 内科(発熱 / 感染症外来)
- 新型コロナウイルス感染症
- ゾコーバ
ゾコーバによるコロナ治療とは?効果や副作用についても解説
コラム
2026年のインフルエンザは、例年とはまったく違う動きを見せています。通常は12月ごろに始まる流行が今年は8月下旬に全国で「流行入り」となり、9月半ばには東京都で注意報レベルに達しました。この記事では、国や東京都の最新データをもとに、2026年のインフルエンザの流行状況と今後の見通し、流行している型、症状・検査・治療、2026/27シーズンのワクチンの接種時期について解説します。
国立健康危機管理研究機構(JIHS)の感染症発生動向調査では、2026年第34週(8月17日〜23日)に全国の定点当たり報告数が1.11となり、流行開始の目安「1.00」を超えました。これは調査が始まった1999年以降、新型インフルエンザが流行した2009年に次いで2番目に早い流行入りです。その後も第35週1.76、第36週3.29と週ごとに増え、39都道府県で前週より増加。沖縄県は突出して高く、9月上旬に注意報が出されました。
東京都では8月末に流行開始が発表され、第37週(9月7日〜13日)の定点当たり報告数は9.53人。都内31保健所のうち14保健所が注意報レベル(10人超)となり、9月17日に「注意報基準を超えた」と発表されました。前年より1か月以上早いペースです。
2025/26シーズンも9月下旬という早い流行入りでしたが、11月中旬に定点当たり51.12のピーク、2月上旬に43.34の第2のピークを作る「二峰性」でした。前半はA型(H3N2)、後半はB型が中心で、A(H1N1)pdm09はシーズンを通してごく少数でした。つまり昨シーズンに免疫を得た人が多いのはH3N2とB型で、今年の主流H1N1pdm09への免疫を持たない人が多いことが、夏に流行が立ち上がった背景のひとつとみられています。
インフルエンザは、インフルエンザウイルスが鼻や喉の粘膜に感染して起こる急性の呼吸器感染症です。人に流行するのはA型とB型で、A型にはH1N1とH3N2、B型にはビクトリア系統があります(山形系統は2020年以降検出されていません)。
2026年夏からの流行では、直近5週間に検出されたウイルスの97%がA(H1N1)pdm09でした。2009年に世界的大流行を起こした系統で、香港や台湾でも同じ型が中心です。
| 型・亜型 | 特徴 | 2026年の状況 |
|---|---|---|
| A(H1N1)pdm09 | 若年〜中年でも重症化例がある。肺炎の合併に注意 | 今シーズンの主流 |
| A(H3N2) | 高齢者で重症化しやすい | 昨シーズンの主流。今年はまだ少数 |
| B型(ビクトリア系統) | 吐き気・腹痛を伴うことがある。流行後半に増える | 冬〜春に増える可能性 |
今のところ流行の主役はA(H1N1)pdm09ですが、これで今シーズンが終わるとは限りません。2025/26シーズンは9月下旬に流行入りしたあと11月と2月に2つのピークを作り、冬の後半はB型が中心でした。今年も夏〜秋のH1N1の波が落ち着いたあと、冬にH3N2やB型による第2の波が来る可能性があります。「早く始まったから早く終わる」とは考えず、2027年春までは発熱時にインフルエンザを疑う姿勢が大切です。
1〜3日の潜伏期間のあと、突然38℃以上の高熱が出ます。鼻水や喉の痛みから始まりゆっくり進む風邪と違い、発熱と同時に頭痛・関節痛・筋肉痛・強い倦怠感といった全身症状が現れ、少し遅れて咳や喉の痛み、鼻水が続きます。新型コロナウイルス感染症とは症状だけでは区別が難しいため、検査で確認します。多くは3〜5日で解熱し、1週間ほどで回復します。
注意すべきは肺炎、小児のインフルエンザ脳症、中耳炎などの合併症です。65歳以上、妊婦、乳幼児、喘息・糖尿病・心疾患などの基礎疾患がある方は重症化しやすく、早めの受診が大切です。今年主流のH1N1pdm09は持病のない若い世代でも肺炎を合併した例がある型で、「若いから大丈夫」とは言えません。
診断は診察に加え、鼻の奥の粘液を綿棒で採取する迅速抗原検査で行います。結果は15〜20分で判明し、A型かB型かも同時にわかります。クリニックプラスの発熱外来では、インフルエンザ・新型コロナウイルス・溶連菌の迅速検査に対応しています。
発熱直後はウイルス量が少なく、感染していても陰性と出る「偽陰性」が起こりやすいため、一般には発熱から12〜24時間たってからの検査が推奨されます。ただし高齢者や基礎疾患のある方、症状が強い方は結果を待たずに治療を始めることもあります。迷う場合はまず受診してご相談ください。新型コロナウイルスも増えている今年は、同時に検査することが多くなります。
治療の中心は抗インフルエンザ薬です。発症48時間以内に始めると発熱期間を1〜2日短くし、重症化を防ぐ効果が期待できます。年齢や症状に応じて選択します。
| 一般名(商品名) | 使い方 | 特徴 |
|---|---|---|
| オセルタミビル(タミフル) | 内服 1日2回・5日間 | 乳幼児から使用可。実績が最も多い |
| ザナミビル(リレンザ) | 吸入 1日2回・5日間 | 吸入操作ができる方向け |
| ラニナミビル(イナビル) | 吸入 1回 | 1回で治療完了 |
| ペラミビル(ラピアクタ) | 点滴 1回 | 内服・吸入が難しい方、重症例 |
| バロキサビル(ゾフルーザ) | 内服 1回 | 作用機序が異なる新しい薬 |
解熱剤はアセトアミノフェンが基本です。小児ではアスピリン、ジクロフェナク、メフェナム酸はインフルエンザ脳症との関連が指摘されているため避けます。水分をこまめにとり、十分に休養してください。学校保健安全法では「発症後5日を経過し、かつ解熱後2日(幼児は3日)」が出席停止期間で、職場復帰もこれが目安になります。
厚生労働省は2026年6月、2026/27シーズンの製造株を決定しました。A(H1N1)・A(H3N2)・B型ビクトリア系統の3価で、前シーズンから3株すべてが変わっています。今年流行中のH1N1pdm09に対応する株も含まれます。
ワクチンの効果は接種から約2週間で現れ、約5か月続きます。例年は10〜11月の接種が目安でしたが、2026年はすでに流行しているため、接種できる時期になったら早めに受けることをおすすめします。13歳以上は1回、生後6か月〜13歳未満は2〜4週間あけて2回が基本です。65歳以上や基礎疾患のある方には特に推奨されます。
クリニックプラスでは2026年9月15日からインフルエンザワクチンの予約を受け付けています。注射のほか、2歳〜18歳が対象の点鼻ワクチン(フルミスト)も10月以降に予約可能となる予定です。小児の接種は小児科のある院で行っています。自治体や健康保険組合の助成が使える場合もありますので、お知らせをご確認ください。
突然の38℃以上の発熱に関節痛や強いだるさを伴う場合はインフルエンザの可能性があります。抗インフルエンザ薬は発症48時間以内の開始が目安なので、様子を見すぎて治療のタイミングを逃さないようご注意ください。息苦しさ、水分がとれない、ぐったりして反応が鈍い、けいれん、意識がおかしいといった症状があれば、時間を問わずすぐに受診してください。発熱の見方は発熱(はつねつ)のコラムもご覧ください。
A(H1N1)pdm09が中心です。直近の検出ウイルスの97%を占めています。冬にはH3N2やB型が増える可能性があります。
2026年はすでに流行しているため、接種できる時期になったら早めがおすすめです。効果は接種後約2週間で現れ、約5か月続くので、9〜10月に接種すれば冬の第2の波までカバーできます。
発熱直後は偽陰性が出やすいため、発熱から12〜24時間後の検査が目安です。ただし症状が強い方や重症化リスクのある方は早めに受診し、医師の判断で治療を先に始めることがあります。
クリニックプラスの内科(発熱/感染症外来)では、インフルエンザ・新型コロナウイルス・溶連菌の迅速検査と、抗インフルエンザ薬による治療を行っています。15歳未満のお子さまは小児科のある院でご対応しています。ご予約はLINEから24時間いつでも可能で、平日は20時まで、土日祝日も診療しています。ワクチン接種もLINEから予約できます。