「汗をかくこと」は体温調節をして体の状態を保つために重要な働きです。
しかし、日常生活に支障が出るほど多量の汗が出てしまう場合、治療が必要な病気の可能性があります。
汗が多く出る疾患にはどのようなものがあるのか、治療した方がよい目安は何かについて解説します。
汗が多く出る疾患
汗が多く出る疾患には、以下のようなものがあります。
- 多汗症
多汗症
暑くもないし運動してもいないのに、必要以上に汗をかき、日常生活に支障が出てしまうような疾患を「多汗症」といいます。
「日常生活に支障が出てしまうほどの汗」とは、例えば、試験のときに手の汗で答案用紙が濡れて破れてしまう、汗で鉄棒ができない、わき汗が気になって好きな服が着られないなど、汗をかくことによって生活が制限されてしまうような発汗をいいます。
1週間に1回以上このような多量の発汗があること、睡眠中は発汗が止まっていることが多汗症の特徴です。
多汗症にははっきりした原因がない「原発性多汗症」と、基礎疾患や薬剤が原因で起こる「続発性多汗症」があります。
続発性多汗症の場合には、基礎疾患の治療が優先となります。
原発性多汗症の治療には、飲み薬・塗り薬・注射・手術などの選択肢があります。
保険診療では、新たな治療薬として、エクロックゲルやラピフォートワイプなども登場してきました。
また、自費診療になりますが、ボトックス注射も効果的です。
症状や治療法について、主治医によく相談してみましょう。
悩むより、一度受診を
必要以上に多量の汗が出てしまうという症状は、精神的なストレスを招き、対人関係や社会活動にも影響を及ぼしがちです。
汗くらいで…と思わず、一度主治医に相談し、診断のもとに適切な治療を行うことをおすすめします。