足を床につけたときに違和感がある、足の裏を見るとかたいものができてしまっている、ということはないでしょうか。
足にかたいものができているときには、どのような病気が考えられるのか解説していきます。
足にかたいものができる疾患
足・足の裏にかたいものができてしまう疾患には、以下のようなものがあります。
- 鶏眼(けいがん)・胼胝(べんち)
- 悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ、メラノーマ)
- 皮下腫瘍(ひかしゅよう)
鶏眼(けいがん)・胼胝(べんち)
鶏眼(けいがん)は、一般に「うおのめ(魚の目)」といわれているものです。
足の裏や足指・足指の間などにできやすいもので、かたい部分の真ん中に芯があり、魚の目のように見えます。
皮膚の一部に刺激が繰り返し加えられることで、部分的に角質が増え、厚く、かたくなり、中心部にくさび状に角質が侵入して芯が形成されます。
歩いたり鶏眼の部分に触れたりすると、中心部にある芯が皮膚の奥の方に入りこんで、強い痛みが出てしまいます。
胼胝(べんち)は、一般に「たこ」といわれているものです。
皮膚の角質が過剰に増えることで、皮膚がかたくなってしまいます。
足の裏や足の指など、力がかかりやすい皮膚の一部の角質が増えてしまう状態で、角質は表面に盛り上がっていきます。
鶏眼のような芯はないので、痛みが出ることはほとんどありません。
鶏眼および胼胝は、足に偏った力が加わり、角質が増えてしまうことで発生します。
サイズの合わない靴や歩き方のクセなどがきっかけになることも多く、足の一部にだけ負担がかかる状況は改善するようにしてください。
悪性黒色腫(メラノーマ)
悪性黒色腫(メラノーマ)は、皮膚にできる悪性腫瘍のひとつです。
皮膚にできる黒いものといえば、ほくろを思い浮かべるでしょう。
通常、ほくろは直径5mm以下のものがほとんどですが、大きさが5mmを超え、大きくなっていくものは皮膚の悪性腫瘍・悪性黒色腫(メラノーマ)の可能性が考えられます。
日本人に多い悪性黒色腫(メラノーマ)は、足の裏や手のひらにできるタイプのものです。
気をつけるべきほくろの特徴としては、形がいびつであるものやギザギザしているもの、色が均一でないものです。
特に痛みなどの症状はなくても、見た目の特徴が当てはまる時には、医療機関で相談することをお勧めします。
皮下腫瘍
皮膚の下にできる腫瘍を総称して、皮下腫瘍(皮下腫瘤)といいます。
皮下腫瘍には良性と悪性があり、ほとんどの腫瘍は良性です。
良性の皮下腫瘍として知られているのは、粉瘤(アテローム)・脂肪腫などが有名ですが、他にもいろいろな腫瘍があります。皮膚の上から触っただけでは診断は難しく、手術した腫瘍を顕微鏡で見て、確定診断をします。
気になる症状があれば悩まず受診を
靴のサイズや歩き方を見直すことで、足にできる鶏眼や胼胝などの予防につながります。
足にかたいものができないように気をつけて生活しましょう。
悪性黒色腫(メラノーマ)の方で、ほくろを傷つけたりいじったりした後に、ほくろが変化したという方も少なくありません。ご自身でほくろを取ろうとしたり、いじったりするなど、刺激しないようにして、気になる場合には早めに医療機関で受診するようにしてください。
痛みなどがない場合でも、日常生活に支障がないことで放置せずに、気になる場合には皮膚科や形成外科などの早めに医療機関で受診するようにしてください。