・とびひとは?
とびひは、擦り傷や虫に刺されて掻き壊した皮膚に細菌が感染することで起きる皮膚の病気です。夏季、子供に多いですが、成人でもアトピー性皮膚炎などで皮膚のバリア機能が低下している人にも起こります。
・とびひの原因は?
とびひの原因菌となるのは、黄色ブドウ球菌や溶血性レンサ球菌という細菌です。このため、細菌培養検査が診断に有用となります。これらの細菌が表皮剥奪酵素を産生することで、表皮の細胞が離開し、水疱ができます。
・とびひの症状は?
とびひには、水ぶくれができるタイプ(水疱性膿痂疹)と、かさぶたができるタイプ(痂皮性膿痂疹)の2つがあり、それぞれ特徴が異なります。
水ぶくれができるタイプは、かゆみを伴う水ぶくれができ、やがて水ぶくれが破れると、ただれが起こります。水ぶくれの中には細菌が沢山いるので、水ぶくれを触った手で他の場所を掻いたりすると、掻いた部位に発疹が「とびひ」するので注意が必要です。水ぶくれが破れて完全に乾ききるまでは感染力があります。
一方かさぶたができるタイプは、赤みから始まり、やがて小さな膿疱(中に膿が溜まっている水ぶくれ)を形成します。これが破れてただれが起き、厚いかさぶたができます。その他発熱やリンパ節の腫れ、喉の痛みなどの症状を訴える方もいます。大人にもみられるのはこちらのタイプになります。
・とびひの治療は?
一番大切なのは、患部を清潔に保つことです。患部を触ったらよく手を洗い、他の部位に「とびひ」するのを防ぎましょう。周りの人に感染することもあるので、共用でタオルを使用することは避けましょう。プール遊びなどもしっかり治るまで控えましょう。
治療は抗菌薬の外用に加え、内服で治療を行います。
小さい子供や赤ちゃんは、掻きこわしや虫刺されから感染するので、日頃からこまめに爪を切ってあげたり、虫除けスプレーを使用することで予防することができます。
また、稀ではありますが、細菌が血液中に入ると、高熱や皮膚の強い痛み・腫れなどがみられる「ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群」を発症することがあります。これは非常に緊急性の高い病気なので、直ちに病院を受診するようにしましょう。
・とびひで来院された方の当院での診療の流れ(診察所要時間目安:5〜7分)
1. 問診・診察
皮膚疾患は見た目の診察と患者さんからのお話が診療のほとんどをしめます。事前問診でお答えいただいた内容に加えて、診断に必要な情報や所見を集めます。
2. 処方
診断がついたらお薬を処方します。塗るタイプのお薬と飲むタイプのお薬をうまく使い分けて処方いたします。