帯状疱疹とは?
幼少期に「水ぼうそう(水痘 すいとう)」にかかった方は、その際に感染した水痘帯状疱疹(すいとう たいじょうほうしん)ウイルスが、神経節という場所に潜伏し続けています。
日々の疲れからくる体力の低下や、老化、その他の病気や薬の影響で、免疫機能が低下した時に、潜伏していた水痘帯状疱疹ウイルスが再度活動し始めることによって起こります。
身体の片側に、帯状に、ビリビリとした痛みを伴う小さな水疱(すいほう)ができることが多いですが、著しく免疫機能が低下しているような状況では、全身に水疱ができてしまうこともあるので注意が必要です。
帯状疱疹の原因は?
幼少期に感染した時からずっと神経節に潜伏している水痘帯状疱疹ウイルスが、免疫機能の低下をきっかけに再度活動し始めることが原因です。
注意しなくてはいけないのは、「水ぼうそう」にかかったことのない人にはうつる可能性があります。
帯状疱疹の症状は?
症状には、皮膚の症状と神経の症状の2つがあります。
最初は神経症状から始まることが多く、「脇腹や胸、背中などの一部が、片側だけビリビリ痛い」というのが典型的な帯状疱疹の症状の始まりです。
痛みが出始めてから2〜3日して、痛みを伴う部位に一致して、赤く、少し膨らんでいるような湿疹を認めるようになり、小さな水疱が多数出現します。
こういった皮疹が消失した後も、ビリビリとした神経痛は残ることがあり、特に発症してから治療開始までの時間が遅いと、神経痛が残ってしまいがちです。
場合によってはその後も長く続くこともありますので、帯状疱疹を疑う症状を認めましたら、早めに当院を受診することをおすすめします。
帯状疱疹の検査は?
水疱の中にウイルスがいるので、水疱の内容物を採取して、検査キットを用いることで簡単に診断できます。(約5〜10分)
帯状疱疹の治療や対応は?
抗ウイルス薬を内服します。
神経痛を残さないためにも、可能な限り発症してから早い段階で薬を飲み始めることが重要です。
痛みには、神経痛に効く薬とビタミン剤を飲んでもらいます。
皮膚症状が激しい場合には、塗り薬を使用することもあります。
また、幼少期に水ぼうそうにかかったことがない人には、うつる可能性がありますので注意が必要です。
すべての水疱がかさぶたになってきたら、基本的に感染の心配はなくなります。
神経痛に関しては、発症してすぐを除き、温めると緩和することが多いですので、入浴などで痛む部位を温めましょう。
帯状疱疹で来院された方の当院での診療の流れ(診察所要時間目安:5〜7分)
1. 問診・診察
皮膚疾患は、見た目の診察と患者さんからのお話が診療のほとんどをしめます。
事前問診でお答えいただいた内容に加えて、診断に必要な情報(水ぼうそうにかかったことはあるか、最近体調を崩していないか)や所見を集めます。
2. 検査
水疱を認める場合は、検査キットを使用して検査を行います。
検査をする場合、追加で5〜10分ほどかかります。
3. 処方
診断がついたら薬を処方します。
飲むタイプの薬と、場合によっては塗るタイプの薬を処方します。
痛みが長引く場合もありますので、症状がよくなるまで定期的な通院をお願いしています。