ネイルを落としたら爪の色がおかしい、緑色になっているという経験をしたことがある方はいませんか?グリーンネイルは健常な爪では起きることはあまりありませんが、ジェルネイルや付け爪などをしている方には時々見られる症状です。
グリーンネイルとは
爪の色が変わる、グリーンネイルについて解説していきます。
グリーンネイルとは
グリーンネイル、緑色爪は文字どおり爪が緑色になってしまうことをいいます。緑膿菌という生活環境のなかに常在する弱毒菌が爪に感染し、増殖することにより、緑色に見えている状態です。
健康な爪では起こりにくい
グリーンネイルは健常な爪では起こりにくいと言われています。カンジダなどの真菌に感染した爪では緑膿菌に感染することがあります。爪乾癬や爪白癬といった爪の病変に緑膿菌が感染することも稀に見られます。
また、上記のような疾患がない爪でもジェルネイルや付け爪をしているとグリーンネイルになってしまうことがあります。ジェルネイルや付け爪をしていると、爪甲剥離が起きやすく、爪の皮膚との間に緑膿菌が入り込んでしまうことが原因です。
グリーンネイルの症状
グリーンネイルの症状について見ていきます
自覚症状はない
グリーンネイルは爪の色が変わる他には症状がありません。緑色をカビと勘違いするケースもあるようですが、緑膿菌という細菌がもつ色素により色がついている状態なのでカビではありません。カンジダ性爪甲剥離症では二枚爪の間に、ジェルネイルや付け爪では爪甲と皮膚の間に緑膿菌が感染します。
グリーンネイルになる条件
緑膿菌は湿気の多い場所で感染が起きやすくなります。
緑膿菌、水分、爪の隙間、この3つの条件がそろうことでグリーンネイルが起きやすくなります。
グリーンネイルになりやすい爪
グリーンネイルになりやすい爪の状態とはどのようなものでしょうか。
まず、カンジダ性爪甲剥離症や爪白癬、乾癬によって爪甲剥離が起きているときにはグリーンネイルになりやすいといえます。怪我で爪が浮いてしまっているときにも要注意です。皮膚と爪との間に緑膿菌が入り込んでしまうことがあるからです。また、頻繁にジェルネイルや付け爪をされている方も、グリーンネイルになってしまうことがあります。ジェルや付け爪が自爪を浮かし、皮膚との間の隙間に緑膿菌が感染することがあります。
グリーンネイルの治療
グリーンネイルは、緑膿菌が爪のどの部分に感染しているかによって治療法が変わってきます。
爪が剥離して感染している場合
爪が剥離しているときには、爪の病気が隠れている可能性を考えます。カンジダ性爪甲剥離症や爪白癬などでグリーンネイルが起きやすいといわれており、爪の病気の治療が優先されます。医療機関を受診し、正確な診断をつけることで爪の病気に対して治療を開始してください。
爪と付け爪の隙間に感染した場合
爪の隙間に感染がおきるため、自然爪と付け爪の間に感染が起きた場合にはまずはジェルネイルや付け爪を外します。爪を乾燥した状態を保つことで感染が落ち着くため、何も塗らない状態で過ごすようにしてください。
2週間程度自爪で生活しても緑色の面積が減っていかなければ、抗生物質の塗り薬や飲み薬を使用します。塗り薬の場合、患部に直接浸透するように爪を切ったり爪やすりで整えたりと処置をすることもあります。
グリーンネイルにならないために
グリーンネイルを予防する方法について解説していきます。
爪を清潔に保つ
緑膿菌は細菌、ガンジダ菌や白癬菌は真菌(カビ)で、どこにでも存在し、条件が揃うと感染・増殖に至ります。細菌も真菌も湿気が多く不衛生な環境で増殖しやすくなるため、日頃から爪を清潔・乾燥に保つことが、グリーンネイルの予防につながります。
健康な状態を保つ
健康な人が、弱毒菌である緑膿菌に感染することは稀です。免疫力が低下することで緑膿菌に感染しやすくなるため、睡眠やバランスのよい食事など健康を維持することが緑膿菌の感染を予防することにつながるでしょう。
ネイルサロン選びに注意
ジェルネイルをつけているとグリーンネイルになることがあります。自爪の健康チェックなどをしっかりと行っているネイルサロンを選ぶようにしてください。また、ジェルネイルを行う時には定期的におやすみ期間を設けることで、健康な爪を維持するように心がけましょう。
爪の保湿
爪の乾燥は爪が割れてしまったり、ジェルネイルとの間に隙間ができてしまう原因となります。毎日ネイルオイルを塗るなど、爪の保湿を行ってください。しっかりと保湿することで隙間ができにくくなり、緑膿菌感染を予防することにつながります。
クリニックプラスでのグリーンネイルの診療の流れ
①問診
症状などの病歴について話を聞きます。LINEの事前問診にお答えいただくと、診療がスムーズに行われます。
②診察
患部の診察を行います。皮膚疾患の診断は視診が重要です。医師が丁寧に診察を行っていきます。
③検査
必要に応じ患部の皮膚を数か所採取し、顕微鏡で真菌がいるか検査をします。緑色部分の爪と皮膚を採取し、細菌の培養検査をすることもあります。
④治療
臨床症状や検査でグリーンネイルを考える時は抗生物質の外用薬、爪の処置を行います。
グリーンネイルはごくありふれた疾患です。お悩みの方は、医療機関を受診することで、解決するかもしれません。クリニックプラスは、皮膚科専門医による診療がうけられます。是非一度ご相談にいらしてください。