かぶれ(接触皮膚炎)とは?
皮膚病のひとつである「接触皮膚炎」は、一般的に「かぶれ」と呼ばれています。
湿疹とかゆみ
接触皮膚炎は、皮膚に原因となるものが接触することで起きる炎症反応のことで、赤く、ぶつぶつとした湿疹様の皮疹にかゆみを伴います。
一般的な皮膚病のひとつ
接触皮膚炎で外来を受診する方は、皮膚科の外来患者の4~30%といわれ、よく見られる皮膚病です。
化粧品や外用薬が原因となることが多いといわれています。
かぶれ(接触皮膚炎)のタイプと原因
接触皮膚炎は、原因により4つのタイプに大別されています。
接触皮膚炎のタイプ
接触皮膚炎には、大きく分けて2つのタイプがあります。
1つは、原因となる物質自体が刺激となって起きる刺激性接触皮膚炎、もう1つはアレルギーにより皮膚炎が起きるアレルギー性接触皮膚炎です。
さらに、光に当たることが原因の光触媒皮膚炎と、接触した部分だけではなく全身に皮膚炎が生じる全身性接触皮膚炎、これら2つのタイプを加え、4つのタイプに分類することもできます。
①刺激性接触皮膚炎
通常、皮膚バリアがあることで、外部からの刺激物質が入ってくることはありません。
しかし、皮膚バリアは容易に破綻することもあり、障害された部分から皮膚を刺激する物質が入ってきてしまい、炎症を起こすことがあります。
②アレルギー性接触皮膚炎
ある物質が皮膚に触れることでアレルギー反応を起こし、炎症が起きてしまうことをアレルギー性接触皮膚炎といいます。
③光触媒皮膚炎(光毒性接触皮膚炎、光アレルギー性接触皮膚炎)
光触媒接触皮膚炎は2つのタイプがあります。
光毒性といい、物質に光が当たることで組織を障害するようになり皮膚炎をきたすものと、光アレルギー性という、光が当たることでアレルギー反応を引き起こしてしまうものです。
光触媒皮膚炎の誘因となるのは長波長紫外線(UVA)が主といわれ、光アレルギー性皮膚炎の大半を占めていて、湿布などが原因となることがあります。
④全身性接触皮膚炎・接触皮膚炎症候群
接触した部分だけでなく、全身に接触皮膚炎が出現してしまうことを全身性接触皮膚炎といいます。
アレルゲンが血液やリンパの流れに乗って全身に送られてしまったり、経口や注射によりアレルゲンが体に入ってしまったりすることで、広い範囲で湿疹が起きることがあります。
代表的な原因物質
接触皮膚炎の原因としては、動・植物、食品、化学物質、金属や医薬品などさまざまなものが考えられます。
なかでも多いのは、アクセサリーの金属に多いクロム、ニッケル、コバルト、植物ではウルシやギンナンなど。
湿布などの医薬品でかぶれることもあれば、化粧品や香料、染髪料が接触皮膚炎の原因となることもあります。
布に含まれるホルムアルデヒドも原因になるため、衣服にかぶれることもあります。
かぶれ(接触皮膚炎)の症状
接触皮膚炎の程度は、軽いものから重症化するものまであります。
一般の症状
一般的な接触皮膚炎は、皮膚の赤みとぶつぶつとして少し盛り上がった湿疹様皮疹で、かゆみを伴います。
悪化したときの症状
刺激が強く、炎症がひどい場合には、湿疹部分が水ぶくれとなってしまったり、ジクジクとただれてしまったりすることもあります。
かゆいことで引っ掻いてしまうと、その部分から細菌に感染してしまい、まれに膿がたまることもあります。
また、広い範囲で症状が出る場合には、発熱といった全身症状を伴うこともあります。
かぶれ(接触皮膚炎)の検査
接触皮膚炎の原因を調べるためには、パッチテストを行います。
当院の下北沢院・吉祥寺院でパッチテストの検査が可能です。
パッチテスト
パッチテストというのは、接触皮膚炎の原因になる可能性のあるものを一定時間皮膚に接触させ、炎症が起きるかどうかを見る検査です。
一般的なパッチテストでは、パネルシートというアレルゲンとなりうるものが付けられたシートを上腕や背中に貼り付け、2日後と3日もしくは4日後に評価をします。
その間、水に濡らさないように汗をかかないように過ごす必要があります。
思いがけないものがアレルゲンとしてわかることもあれば、接触皮膚炎の原因がはっきりしないこともあります。
光パッチテスト ※クリニックプラスでは行っておりません。
通常のパッチテストの後、さらに光を当てて皮膚に炎症が起きるかどうかで判定します。
光を当てていないときに反応がなく、光を当てると反応があった場合は、光パッチテスト陽性です。
かぶれ(接触皮膚炎)の治療と対処
接触皮膚炎の治療と対処について解説していきます。
原因を避ける
接触皮膚炎を起こさないためには、原因物質を避けることが第一です。
毎回同じものに接触した後に症状が起きる場合にはわかりやすいのですが、原因が同定できない場合もあります。
かぶれやすいもの、かぶれる可能性のある物質はなるべく避けるようにして、どうしても触れる必要がある場合には手袋や衣服で直接触らないように対策をしてください。
掻かない
掻くことでさらに炎症は悪化し、かゆみもひどくなってしまいます。
掻き壊したところから感染してしまうこともあるため、かぶれているところは触らないようにしてください。
掻いてしまうときの対策として、爪を切ることも大切です。
肌を清潔に
肌の清潔は皮膚病の基本となり、汗やそのほか皮膚に付着しているものが皮膚炎の悪化の要因になることもあります。
汗をかいたときにはその都度ふき取るようにし、定期的な肌の洗浄、洗浄剤を使ったときにはしっかり洗い流すこと、洗浄後は保湿を行うことが大切です。
薬を使う
炎症を抑えるために使われる薬は、ステロイド外用剤が一般的です。
かゆみに対して抗ヒスタミン剤の内服を行うこともあります。
クリニックプラスでの接触皮膚炎の診療の流れ
①問診・診察
接触皮膚炎の診察は視診が非常に重要です。
丁寧に診察を行いながら、症状などの病歴について話を聞き、接触皮膚炎の原因が何なのかを考えていきます。
LINEの事前問診にお答えいただくと、診療がスムーズに行われます。
②治療
外用薬や内服薬を用いて治療を行っていきます。
原因として疑わしいものがある場合には、原因を避けるように指導していきます。
③専門病院への紹介
原因を調べるための検査を希望の方には、専門病院を紹介します。
当院は、多くの専門医療機関と連携をとっておりますので、スムーズに紹介することが可能です。
接触皮膚炎の症状でお悩みの方は、医療機関を受診することで原因がわかるかもしれません。
クリニックプラスは、平日は20時まで、土日祝日も毎日診療しています。是非一度ご相談にいらしてください。