血管腫とは?目立たなくする治療法や類似疾患を紹介  

血管腫という病気をご存じですか?

血管の異常によるもので、皮膚の表面に赤いあざのようなものがあらわれます。早ければ生後2週間程度で生じることがあり、見た目に影響するため不安に感じられる方も多いです。

今回は、血管腫がどんな病気なのかについて解説し、その影響や治療法も合わせて説明します。

血管腫とは

まずは、血管腫という病気について、その成り立ちや症状について紹介します。

血管腫とは

血管は、バームクーヘンのような層状の構造になっており、その内側の層が「血管内皮」です。この血管内皮の細胞が異常に増殖したものを血管腫と呼びます。血管腫にはいくつか種類があります。

  • いちご状血管腫(乳児血管腫)

    発症率は1%ほどで、生後数週間〜3か月ほどの間に生じる血管腫です。生後1年ほどまでの間が増殖期で、その後は7歳くらいまで時間をかけてゆっくりと消えていきます。いちごのように、皮膚の表面が赤く盛り上がるのが特徴です。大きさはまちまちで、10cm以上とかなり大きくなる場合もあります。

  • 老人性血管腫

    老人性と名前がついていますが、20歳代から生じる血管腫です。数ミリ〜豆粒ほどの大きさで、赤いほくろのように見えるかもしれません。加齢とともに増えていきます。

血管腫と血管奇形との違い

血管奇形は、血管腫の一種として扱われることも多く、あまり厳密な区別はされていません。血管腫が血管内皮の異常な増殖であるのに対し、血管奇形は血管自体が異常に集まったものを指します。

  • 単純性血管腫(毛細血管奇形)

    いちご状血管腫とは違い平坦で、生まれつきの赤いあざです。生まれてすぐは濃い赤色ですが、1〜2か月で少し薄くなります。自然に消える可能性もゼロではありませんが、ほとんどの場合は大人になってからも残ります。

  • 静脈奇形(海綿状血管腫)

    異常に拡張した血管が集まったものです。全身のどこにでも生じる可能性がありますが、脳内のものを指して使われる場合もあります。体にできたものは、表面が青紫色にでこぼこと隆起します。

    脳内の静脈奇形は、MRIをとったときに偶然見つかることが多く、症状がなければ治療は不要です。出血やてんかん発作などの症状がある場合や、大きくなっている場合などは治療が必要になることがあります。

  • 動静脈奇形

    本来であれば毛細血管を介してつながるはずの動脈と静脈が、直接繋がって血管の塊を作っている状態です。胎児のころに生じる先天的な異常で、奇形の部分は通常よりも血管の厚みが薄いという特徴があります。

    若い方の脳出血は脳内の動静脈奇形が原因のことが多いです。体にできたものは、赤っぽい色で隆起しており、拍動を感じます。進行すると、痛みを感じたり潰瘍ができたりするため、治療が必要です。

血管腫の影響とは

血管腫は、見た目以外にも影響があります。

いちご状血管腫の影響

乳幼児にできるいちご状血管腫は、できた部位によって健康に影響が出る場合もあります。

たとえば、目の横にできて瞼が開かない場合は、視力が落ちるかもしれません。首にできて食道を圧迫すると、飲み込みに支障が出ることもあります。

影響がある場合には、早めの対処が必要です。

静脈奇形・動静脈奇形の影響

静脈奇形は大きくなるため、患部の肥大や変形、運動機能の障害などを伴うかもしれません。指などにできた場合は、支障が出る前に治療を開始するのがよいでしょう。

脳の静脈奇形は、脳内のどこに発生するかによって影響が変わります。大脳だと、てんかん発作や麻痺が多いです。小脳では、バランス感覚が失われたり、喋りにくさが生じたりします。脳幹だと、ものが二重に見えたり、顔の麻痺が生じたりする可能性があります。

動静脈奇形は、先ほどお伝えしたように、血管の壁が薄いのが特徴です。そのため血管が破れて出血する確率が奇形のない人と比べて高く、毎年2〜4%の割合で脳出血を起こします。また、一度出血したことがある方は、再出血のリスクが高いです。脳の出血は命に関わるため、出血のリスクが高い動静脈奇形は治療をすすめられることがあります。

血管腫の治療法

血管腫は、ほとんどの場合は放っておいても自然と消えるので、焦って治療する必要はありません。とはいえ、見た目に影響があるため、治療を希望される方も多いです。血管腫の治療法について4種類ご紹介します。

レーザー治療

いちご状血管腫・単純性血管腫の治療法です。

レーザー治療は、以前は血管腫の大きさが変わらなくなってからおこなっていましたが、最近では早い段階でおこなうこともあります。少し痛みを伴いますので、事前に麻酔のクリームなどを塗ることが多いです。大きな血管腫の場合は、次に説明する内服治療を併用することもあります。

目の近くの血管腫にレーザーを当てるなど、動いてしまうと危険な場合には、全身麻酔が必要になるかもしれません。

内服治療

いちご状血管腫に対して、ヘマンジオルシロップ(成分名:プロプラノロール)を1日2回内服する治療法があります。血管腫の増殖を抑え、小さくなるのを早めます。副作用で血圧が下がる・血糖値が下がるなどすることがあり、入院で治療をすることが多いです。

硬化療法

静脈奇形などの治療としておこなわれます。

静脈奇形は皮膚の深い部分にあるため、レーザーは届きません。硬化療法は、血管の中に特殊な薬を注入し、血管にあえて炎症を起こさせることで、その部分の血管を潰すという治療法です。

手術

あらゆる血管腫・血管奇形で、ほかの治療法でうまくいかなかった場合などには、手術がおこなわれることもあります。

乳児血管腫と似た疾患

血管腫の中でも、とくに乳児血管腫と似た皮膚の疾患をご紹介します。

房状血管腫

乳幼児にできやすい血管腫で、赤〜茶色のあざが徐々に大きくなるのが特徴です。あざはいちご状血管腫とは異なり平らに盛り上がっていて、痛みや圧痛を伴います。あまり悪性化(がん化)はしませんが、自然に消えることは少ないです。

カポジ肉腫様血管内皮腫

新生児〜乳幼児期に生じる悪性の血管性腫瘍です。自然には消えない点、急速に大きくなる点がいちご状血管腫と違います。はじめは赤や茶色の平坦な皮膚病変ですが、その後隆起してうろこのようにブツブツとした状態になります。

クリニックプラスでの血管腫の診療の流れ

①問診&診察

症状などの病歴について話を聞き、丁寧に診察を行います。LINEの事前問診にお答えいただくと、診療がスムーズに行われます。

患部の診察を行います。皮膚疾患の診断は視診が重要です。医師が丁寧に診察を行っていきます。

②治療

レーザー治療や外科的切除が必要な時は専門病院へご紹介させていただくこともあります。当院は、多くの専門医療機関と連携をとっておりますので、スムーズにご紹介させていただくことが可能です。

体にある赤いあざでお悩みの方は、医療機関を受診することで、解決するかもしれません。クリニックプラスは、皮膚科専門医による診療が受けられます。是非一度ご相談にいらしてください。

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