皮膚に爪が食い込んでしまい、「爪が切りにくい、痛みがでる」といったことで悩んでいる方は少なくないでしょう。
具体的にどういった病気で、どういった症状によるものなのか、考えられる病気について解説していきます。
爪が皮膚に食い込んでしまう疾患
爪が皮膚に食い込んでしまう疾患には、以下のようなものがあります。
- 巻き爪
- 陥入爪(かんにゅうそう)
巻き爪
弯曲(わんきょく)した爪が皮膚に食い込んでいる状態を「巻き爪」といいます。巻き爪の人は10人に1人ともいわれ、珍しいものではありません。
巻き爪になりやすいのは、足の親指(第1趾)。爪が皮膚に食い込むことで痛みが生じることもあります。巻き爪は見た目の問題なので、必ずしも治療の対象となるわけではありませんし、巻き爪の矯正に健康保険は適用されません。
クリニックプラスでは『巻き爪マイスター』という器具を使用する治療を、自費診療で提供しております。
陥入爪(かんにゅうそう)
陥入爪は、爪が皮膚に食い込むことで炎症が起きてしまうことをいいます。巻き爪に合併することの多い病態で、巻き爪と混同されることも多くありますが違うものになります。
爪が巻いていない状態でも、深爪などで爪が皮膚に食い込んでしまい、陥入爪になることもあります。
陥入爪は、爪を切った後のとがった部分が皮膚に刺さってできた傷や、ネイルケアやマニキュア・ジェルネイルの際についた小さな傷から、炎症が起きて発症することがあります。爪の周りが腫れ上がり、痛みがある時には炎症があると考えられ、爪が巻いているかいないかに関わらず、陥入爪である可能性があります。
爪周囲に炎症が起きている陥入爪は、抗生剤治療などを検討する必要があります。こちらは保険適用になります。
気になる症状があれば悩まず受診を
巻き爪と陥入爪は混同しがちですが違うものです。日頃から爪の白い部分を切り落としてしまう深爪、先のとがったデザインやサイズの合わない靴、急激に体重が増えるといったことが、巻き爪・陥入爪のリスクになります。
巻き爪は日常生活に支障はないかもしれませんが、審美的な問題があります。また、歩くのも辛い状態になってしまう陥入爪を発生させるリスクが高くなります。
治療を検討する場合には、皮膚科や形成外科が対象の科となりますので、早めに医療機関で受診するようにしてください。正しい爪の切り方や靴のサイズに気をつけるなど、日頃からのケアも大切です。