・狭心症とは?
心臓は全身に血液を送るポンプの役割をしていますが、その心臓自身が動くために、まずは冠動脈という血管を通して心臓自身に血液を送っています。この冠動脈の血管の内側に、体にとって余分な脂肪等からなるプラークとよばれるゴミがたまってくると、心臓への血流が障害されてしまい、心臓が悲鳴をあげます。この悲鳴を胸の痛みとして感じるのが狭心症です。放っておくとプラークが破裂し、冠動脈が完全に詰まってしまうことで、心筋梗塞につながります。心筋梗塞は、命の危険にもさらされてしまう怖い病気です。そうなる前に、心臓の悲鳴を感じたらすぐに専門外来を受診することが大切です。下記に当てはまる方は狭心症になりやすい人で、より注意が必要です。
◆高血圧
◆高脂血症
◆糖尿病
◆喫煙者
◆血の繋がりのあるご家族に心臓のご病気がある
・どんな症状がでますか?
狭心症の方は下記のような症状がでることがあります。
◆胸が痛い
◆胸がしめつけられる
◆胸がおされる
◆左肩が重い
◆喉の違和感
◆歯が痛い
上記のような症状が特に労作時に起きるのが典型的ですが、特に日本人では深夜〜明け方などに労作とは関係なく上記のような症状が起きる異型狭心症という病気も多いので、安静時に起きているからといって油断はできません。
・どんな検査を行いますか?
狭心症が疑われた場合、当院では以下のような検査を行います。
◆心電図検査
◆採血検査
◆心エコー検査
上記検査の結果からさらに狭心症が疑わしいと判断された場合には、近くの画像診断専門クリニックにて心臓CT検査を行うことをオススメさせていただくことがあります。あるいはカテーテル治療など早期治療が必要と判断された場合には、治療実績のある提携病院を速やかにご紹介いたします。
・どんな治療を行いますか?
狭心症の治療選択肢として、下記のようなものがあります。
◆生活習慣の見直し(禁煙、食事、運動など)
◆薬による治療
◆心臓カテーテル治療
◆外科による心臓バイパス術
症状がなく、健康診断で狭心症を指摘されたり、狭心症のリスクに当てはまる方には、生活習慣の見直しと薬による治療を行います。症状が強くでているような方には、速やかにカテーテル治療や外科治療をたくさん行っている病院をご紹介いたします。すでに治療を受けた方についても、当院では術後の管理も積極的に行っておりますので、お気軽にご相談ください。
・狭心症で来院された方の当院での診療の流れ(診察所要時間目安:7〜10分)
1. 問診
事前にお答えいただいた問診票の内容に加えて、いつ、胸のどのあたりが、どんなふうに、どのくらいの時間続いたかなど、詳しくお話を聞きます。
2. 身体診察
肺や心臓の音を聞いたりなどの診察を行います。
3. 検査
診断がまたついていない場合は原因を調べるために、血液検査や心電図、心エコー検査等を行います。すでに狭心症と診断されている方には、定期的に血液検査や心電図検査、心エコー検査を行い、狭心症の徴候がないかモニタリングします。
4. 薬の処方(症状が安定していない場合は、大きな病院を紹介)
症状が安定しているあるいは軽度であれば、薬の治療で様子をみます。検査で狭心症を積極的に疑うような所見があったり、症状が安定していない場合は、一刻を争いますので、場合によっては救急車を呼んで、カテーテル治療などを積極的に行っているような大きな病院をすぐにご紹介させていただき、受診していただくこともあります。