・不整脈とは?
心臓は電気信号が流れることで動いています。その電気の流れに何らかの異常が起きた状態の総称を不整脈といい、下記の通り、いろんな種類の不整脈があります。
◆心房細動 / 心房粗動
◆洞不全症候群
◆房室ブロック
◆期外収縮(上室性・心室性)
◆心房頻拍
◆発作性上室性頻拍
◆WPW症候群
◆心室頻拍 / 心室細動
不整脈の種類によっては治療方法も全く異なりますので、専門外来で正しい診断と治療を受けることが重要です。
・どんな症状がでますか?
不整脈は、脈が速くなるタイプの不整脈(頻脈)と、脈が遅くなるタイプの不整脈(徐脈)の2つに大きく分けられます。
不整脈を診断するためには、不整脈が出ている現場をおさえなければ診断ができませんので、症状がおさまってからではなく、まさにその症状がでている時に受診していただくことが重要です。もし既によくなってしまった場合でも、放っておくと命に関わる不整脈もあるので、上記のような症状を感じたら、すぐに受診していただきますようお願いいたします。
・どんな検査を行いますか?
不整脈が疑われた場合、当院では以下のような検査を行います。
◆心電図検査
◆ホルター心電図(24時間心電図)
◆採血検査
◆心エコー検査
不整脈は心電図検査でほぼ確実に診断可能な病気ですが、難しいのは現場をおさえられるかどうかです。不整脈の頻度が多ければ多いほど診断しやすいですが、頻度が少ないと、1回の検査では診断に至らないことが多く、根気よく検査を繰り返す必要があります。また、診断に至っても、どの程度治療が必要かということに関しては、採血の結果や、心エコー検査の結果などから心臓の状態も評価しながら決めていくことが重要です。
・どんな治療を行いますか?
不整脈の治療選択肢として、下記のようなものがあります。
◆薬による治療
◆心臓カテーテル治療(カテーテルアブレーション、Watchman)
◆ペースメーカー
薬による治療でコントロールを試みますが、それでもコントロールがつかない場合は、心臓カテーテル治療を検討します。最近では「心房細動」という不整脈の大きな合併症の1つである「脳梗塞」を予防するためのWatchmanというデバイスも、保険診療で受けられるようになりました。こういった治療が必要と判断された際は、カテーテル治療の経験が豊富な病院をご紹介いたします。また、緊急でペースメーカーが必要なこともありますが、そういった場合も機関病院との強いパイプで、速やかに近くの大きな病院をご紹介できます。
・不整脈で来院された方の当院での診療の流れ(診察所要時間目安:7〜10分)
1. 問診
事前にお答えいただいた問診票の内容に加えて、いつから、どれくらいの頻度で、どれくらいの時間症状が持続するかなど、詳しくお話を聞きます。
2. 身体診察
心臓の音を聞いたりなどの診察を行います。
3. 検査
診断がまたついていない場合は原因を調べるために、血液検査や心電図、心エコー検査等を行います。すでに不整脈と診断されている方には、定期的に血液検査や心電図検査、心エコー検査を行い、心臓の状態をモニタリングします。
4. 薬の処方(症状が安定していないような場合などは、大きな病院を紹介)
症状が安定しているあるいは軽度であれば、薬の治療で様子をみます。薬で症状のコントロールがつかない場合や、日常生活に支障をきたす場合、また不整脈の原因としてカテーテル治療などの高度な治療が必要な病気が隠れていると判断した場合などは、提携している大きな病院をすぐにご紹介させていただき、そちらを受診していただくこともあります。